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2014 Fiscal Year Research-status Report

膵星細胞における小胞体ストレス応答の解明と膵疾患に対する新規治療標的としての応用

Research Project

Project/Area Number 26461035
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

五十嵐 久人  九州大学, 大学病院, 講師 (60467941)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 伊藤 鉄英  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50253448)
Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords膵星細胞 / 小胞体ストレス / アポトーシス / α-SMA / 分子シャペロン / CHOP / PERK / eIF2α
Outline of Annual Research Achievements

膵臓の間質に存在する膵星細胞は、線維化を病理学的特徴とする慢性膵炎や膵臓癌において病態進展の中心的役割を果たすことが報告され、新規治療標的として注目されている。研究では、膵星細胞における小胞体ストレス応答を明らかにするとともに、それを介した慢性膵炎・膵臓癌の病態進展を抑制し得る新規治療法の開拓を行う。
まず、In Vitroの実験系で、膵星細胞における小胞体ストレス応答のメカニズムを明らかにするため、以下の実験を行った。
Wistar ratより単離した膵星細胞をThapsigargin 10~1000nMで刺激し、細胞増殖能は濃度依存性に抑制され、アポトーシスが濃度依存性に促進されることを明らかにした。
次に、Thapsigargin刺激により、時間依存性にPERK、eIF2α経路のリン酸化が促進されることをWestern blotで明らかにした。それと同時に、分子シャペロン(Grp78, Grp94)、転写因子であるATF4、アポトーシス誘導因子であるCHOPの発現が濃度依存性に上昇することを遺伝子レベル(リアルタイムPCR)、蛋白レベル(Western blot)で証明した。
一方で、膵星細胞の活性化のマーカーであるα-SMA、膵星細胞が産生する細胞外基質(Ⅰ型コラーゲン、fibronectin)、および線維化促進因子であるTGF-βの発現(遺伝子、蛋白)は、Thapsigargin投与により濃度依存性に抑制された。
以上より、膵星細胞においてもThapsigargin誘導性に小胞体ストレス応答が惹起され、その結果、細胞固有機能は抑制されることを明らかにした。そして、PERKリン酸化阻害薬であるGSK2606414投与により、上述したThapsigargin誘導性の小胞体ストレス応答が阻害されることも合わせて明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

概ね、当初の計画通りに進んでいるため。

Strategy for Future Research Activity

平成26年度の研究から、膵星細胞における小胞体ストレス応答にはPERK/eIF2α経路が重要な役割を果たしていることが明らかとなった。また、膵星細胞の固有機能は小胞体ストレス応答により抑制されることが明らかとなった。
平成27年度では、膵星細胞がその病態進展に深く関与している「慢性膵炎」において、膵星細胞の小胞体ストレス応答がその病態に及ぼす影響を明らかにする。さらに、糖尿病、心血管障害などにおいて小胞体ストレスを介して病態進展に悪影響を及ぼすことが明らかにされている「飽和脂肪酸」が慢性膵炎、および膵星細胞に及ぼす影響もあわせて明らかにする。
具体的には、慢性膵炎モデルラットであるKOB ratに高脂肪食を負荷し、飽和脂肪酸が慢性膵炎の組織変化に及ぼす影響を検討する。また、継代を繰り返すことで活性化が促進される膵星細胞の性質を利用し、第一継代(静止期)、および第三継代(活性型)の間での小胞体ストレス応答関連タンパク・遺伝子の発現変化を検討する。最後に、膵星細胞を飽和脂肪酸であるパルミチン酸で刺激し、小胞体ストレス関連遺伝子・タンパクの発現変化、細胞増殖能、細胞外基質産生能などに与える影響も検討する。

Causes of Carryover

研究の遂行上、試薬や抗体・消耗品が先ず必要でありマイクロプレートリーダーを学内共有のものを使用したため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

試薬・抗体・消耗品及び機材を研究計画に従い使用する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2014

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] シンポジウム12(生活習慣病と脂質・胆汁酸代謝)飽和脂肪酸は膵星細胞における小胞体ストレス応答を介して慢性膵炎の線維化を抑制する2014

    • Author(s)
      李 倫學、五十嵐久人、伊藤鉄英
    • Organizer
      第22回 JDDW(第56回消化器病学会大会)
    • Place of Presentation
      神戸
    • Year and Date
      2014-10-23 – 2014-10-26
  • [Presentation] Saturated fatty acid inhibits fibrogenesis of chronic pancreatitis via ER stress response in pancreatic stellate cells.2014

    • Author(s)
      Lee L, Ito T, Nakamura T, Hijioka M, Niina Y, Igarashi H, Jensen RT, Takayanagi R.
    • Organizer
      DDW
    • Place of Presentation
      Chicago
    • Year and Date
      2014-05-03 – 2014-05-06

URL: 

Published: 2016-05-27  

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