2014 Fiscal Year Research-status Report
神経因子由来の遺伝子群の導入による膵B細胞の増殖・再生法の開発
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26461042
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
木場 崇剛 東北薬科大学, 大学病院, 部長 (80285139)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 膵臓B細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、これまで、ラットにおいて、視床下部腹内側核破壊後3日目に、膵B細胞および膵外分泌細胞の増殖が起こることを証明した。また、全膵臓組織からmRNAを抽出して、cDNA microarrayの解析を行うことにより、数々の細胞増殖および分化に関わる遺伝子群を同定した。この際に、同定された遺伝子群を観察することにより、膵内分泌細胞の増殖、分化以外に膵外分泌細胞の増殖、分化に関わる遺伝子群の変化も同定した。以前、膵臓のLangerhans島だけからのcDNA microarrayの解析に耐え得るmRNAを抽出する新規手技を開発したために、視床下部腹内側核破壊ラットでは、膵A細胞およびD細胞の増殖は起きないことがすでに判明しており、膵臓のLangerhans島のみのcDNA microarrayを行いことにより、膵B細胞の増殖に関わる新規遺伝子の同定を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
視床下部腹内側核破壊により、膵臓のLangerhans島で多くの既存の細胞増殖および再生に関わる遺伝子の発現の変化を認め(Kiba et al. Islets 6(5-6): e1012950, 2014)、また膵B細胞の増殖および分化に関わる可能性のある、新規の未だ機能の判明していない遺伝子群を発見した。また、視床下部腹内側核破壊を行うと、高インスリン血症が起こることが知られており、インスリンの発現と細胞増殖には密接な関係があることが知られている。昨年度の補助金の御支援により、ラット視床下部腹内側核破壊による高インスリン血症の原因の一つとして、膵ランゲルハンス島内のAdora1遺伝子の発現がこれに関与する可能性があることを報告した(Kiba et al. Pancreas in press)。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、ラットランゲルハンス島腫瘍細胞株のRIN-5F, RIN-mの細胞株に哺乳類発現ベクタ-であるpJTI R4 Exp CMV EmGFP pA vectorを用いてこれら神経因子由来の新規のいまだ機能の判明していない遺伝子をリポフェクション法あるいはエレクトロポレーション法を用いて遺伝子導入を行い、Western blottingおよびELISA法でインスリンの発現量を定量し、インスリン発現量に影響(発現量の増加ないし減少)を与える遺伝子を拾い上げる。
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Causes of Carryover |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったのは、研究代表者の所属する施設が、昨年の10月以降変更になったため、職場環境の変更に伴い、十分に研究を実行できなかったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後の研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。
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Research Products
(2 results)