2014 Fiscal Year Research-status Report
内視鏡室スタッフを対象としたインターネット利用医療事故防止研修プログラムの開発
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26461044
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
日山 亨 広島大学, 保健管理センター, 准教授 (00359887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日山 恵美 広島大学, 法務研究科, 准教授 (80559229)
吉原 正治 広島大学, 保健管理センター, 教授 (20211659)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 内視鏡 / リスクマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、内視鏡室で勤務する看護師や内視鏡技師等を対象とした、実際に起こった医療事故事例を題材に用いたインターネット利用型の医療事故防止研修プログラムの開発を目的とする。 平成26年度は、まずは、内視鏡室が関係する・関係しうる訴訟事例を、判例データベースを用いて検索した。そして、判決を検討し、内視鏡室で勤務する看護師や内視鏡技師等に対して教訓的な事例を、抽出した。それら事例の経過等を簡略化し、また、適宜、質問等を加えて、その時点でどのように対応すべきかについて考えさせる内容のものとし、教材の作製を行った。 具体的な事例としては、① インフォームド・コンセントの内容が問題となった事例(鎮静薬等によるアナフィラキシーショック死事例、睡眠導入薬による交通事故事例、カテーテル誤挿入事例、大腸ポリペクトミー後に腸管穿孔を生じた事例など)、② 鎮静薬による事故が関係した事例(半覚醒の状態で経口投与を行い死亡した事例、鎮静薬投与後呼吸停止し死亡した事例など)、③ 内視鏡手技が関係した事例(内視鏡的異物除去がうまくいかなかった事例など)、④ 結果の説明内容が問題となった事例、⑤ 診療ガイドラインが関係した事例(内視鏡による院内感染事例など)、⑥ 内視鏡の前処置、浣腸が関係した事例、⑦ 採血、注射が関係した事例(止血の指示が問題となった事例など)、⑧ 患者の転倒、転落が関係した事例(患者がいすから転倒した事例など)、⑨ 個人情報保護が関係した事例(患者の情報が漏れた事例など) これらの教材を用いて、看護師や内視鏡技師等を対象とした研修会を行い、リスクマネジメントに関して知見を深めてもらうとともに、教材の改善を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、事例の検索、抽出が予定されていた。予定されていたことはおおむね実施できたと言える。研究としては、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は研修プログラムの開発を行う年度となっている。ホームページ等を利用して行う研修プログラムのコンテンツを開発するとともに、訴訟事例をケーススタディーの素材に用いて医療安全研修会やカンファレンス等を開催する。また、これらの研修材料に関しての意見を集めて、より内視鏡医にとって興味をひき、そして、現場へのフィードバックができるようなインパクトのある内容にできるよう教材の改善を行う。 また、引き続き、新たな訴訟事例についても検索・収集し、研修プログラムに使えるものをチェックしていく。適当なものがあれば、教材化していく。
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Causes of Carryover |
この研究に関連して,東京で出版社等と,3月に打ち合わせを行う予定であったが,先方の急用にて,延期となった。出張旅費として,一部経費を残していたが,出張がなくなったこと,また,年度末ということで,使用することができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に,改めて,打ち合わせを行う予定としている。その経費にあてることを予定している。
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