2015 Fiscal Year Research-status Report
内視鏡室スタッフを対象としたインターネット利用医療事故防止研修プログラムの開発
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26461044
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
日山 亨 広島大学, 保健管理センター, 准教授 (00359887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日山 恵美 広島大学, 法務研究科, 准教授 (80559229)
吉原 正治 広島大学, 保健管理センター, 教授 (20211659)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 内視鏡 / リスクマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、内視鏡室で勤務する看護師や内視鏡技師等を対象とした、実際に起こった医療事故事例を題材に用いたインターネット利用型の医療事故防止研修プログラムの開発を目的とする。 平成27年度は、プログラムに利用する、内視鏡室が関係する・関係しうる訴訟事例の追加を行った。判例データベースを用いて、新たに判決が出された事例を検索した。それらの事例の判決を検討し、内視鏡室で勤務する看護師や内視鏡技師等に対して教訓的な事例を、抽出した。それら事例の経過等を簡略化し、また、適宜、質問等を加えて、その時点でどのように対応すべきかについて考えさせる内容のものとし、教材の作製を行った。 具体的な事例としては、① 採血・注射に伴う神経障害が問題となった事例(名古屋地裁平成14年3月15日など)、② 薬剤によるアナフィラキシーショックが問題となった事例(最高裁平成16年9月7日など)、③ 鎮静薬投与後の交通事故が問題となった事例(神戸地裁平成14年6月21日など)、④ 大腸内視鏡検査中に生じた穿孔が問題となった事例(岡山地裁平成15年4月2日など)、⑤ 大腸ポリペクトミー後に生じた穿孔が問題となった事例(大阪地裁平成10年9月22日など)、⑥ 注腸検査用カテーテルの誤挿入が問題となった事例(東京地裁平成14年2月20日など)、⑦ 急性アルコール中毒による死亡が問題となった事例(高松高裁平成18年9月15日など)、⑧ 消毒薬による病院職員の健康障害が問題となった事例(大阪地裁平成18年12月25日など)。 これらの教材を用いて、看護師や内視鏡技師等を対象とした研修会を行い、リスクマネジメントに関して知見を深めてもらうとともに、教材の改善を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、事例の検索、抽出、研修プログラムの開発が予定されていた。予定されていたことはおおむね実施できたと言える。研究としては、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は研修プログラムの実施、修正を行う年度となっている。ホームページ等を利用して行う研修プログラムのコンテンツを開発するとともに、訴訟事例をケーススタディーの素材に用いて医療安全研修会やカンファレンス等を開催する。また、これらの研修材料に関しての意見を集めて、より内視鏡医にとって興味をひき、そして、現場へのフィードバックができるようなインパクトのある内容にできるよう教材の改善を行う。 また、引き続き、新たな訴訟事例についても検索・収集し、研修プログラムに使えるものをチェックしていく。適当なものがあれば、教材化していく。
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Research Products
(12 results)