2014 Fiscal Year Research-status Report
臨床実用を目指した癌幹細胞標的光線力学的療法の基礎研究
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26461045
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
磯本 一 長崎大学, 病院(医学系), 准教授 (90322304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
七島 篤志 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (60380838)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 光線力学療法 / 食道癌 / 化学放射線療法 / 扁平上皮癌 / タラポルフィリンナトリウム |
Outline of Annual Research Achievements |
タラポルフィリンナトリウムによる光線力学的治療:PDTの対象となり得る化学放射線療法後の再発性食道癌を想定して、癌幹細胞の性質をもつ扁平上皮細胞株を見つけだし、基礎実験を行った。既報より癌幹細胞の性質を示す扁平上皮細胞株として、OSC19を用いた。Western blot及び免疫細胞染色で、同株はびまん性にCD44vを強く発現していた。タラポルフィリンナトリウム濃度は0~4μg/mLの範囲で、PDTとして1J照射により、MTTアッセイによる細胞生存性を検討したところ、3μg/mL以上で効果が得られた。タラポルフィリンナトリウム濃度3μg/mLでは、PDT3JでOSC19細胞はほとんど死滅した。幹細胞性質を持つと思われるOSC19はタラポルフィリンナトリウムによるPDTに感受性が高い可能性がある。CD44vの発現が高い幹細胞様性質を持つ癌においては、CD44v~シスチントランスポーター~グルタチオンを標的とした治療法として、酸化ストレス抵抗性を標的とした癌幹細胞に対する治療戦略基盤となり得る。この目的で、スルファサラジンをOSC19細胞に添加してMTTアッセイを行ったところ、PDTに関係なく殺細胞効果がみられた。PDT作用の増感性に関しては今後の課題である。スルファサラジンがCD44vによって促進されているシスチンの取り込みを阻害する効果があり、グルタチオン活性を計測予定である。化学放射線治療前及び治療後に再発或いは遺残した食道扁平上皮癌組織を内視鏡的に採取しており、CD44v、シスチントランスポーター、グルタチオン発現等を免疫染色で確認する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CD44v高発現株、OSC119に対するHoechst蛍光染色・DNA fragmentation assay・細胞周期解析でアポトーシス誘導率を検証が十分できていない。腫瘍組織のcDNAマイクロアレイ、マイクロRNAマイクロアレイを行っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
CD44v高発現株、OSC119に対するHoechst蛍光染色・DNA fragmentation assay・細胞周期解析でアポトーシス誘導率を検証する。化学放射線療法前後で、腫瘍組織のcDNAマイクロアレイ、マイクロRNAマイクロアレイを行い、化学放射線療法の治療抵抗性に関する分子基盤を得る。実験系を確立したことで、スルファサラジンの併用効果の検証を円滑に行える。
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Causes of Carryover |
CD44v高発現株、OSC119に対するHoechst蛍光染色・DNA fragmentation assay・細胞周期解析でアポトーシス誘導率を検証が十分できていない。腫瘍組織のcDNAマイクロアレイ、マイクロRNAマイクロアレイを行っていない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
CD44v高発現株、OSC119に対するHoechst蛍光染色・DNA fragmentation assay・細胞周期解析でアポトーシス誘導率を検証する。化学放射線療法前後で、腫瘍組織のcDNAマイクロアレイ、マイクロRNAマイクロアレイを行い(受託)、化学放射線療法の治療抵抗性に関する分子基盤を得る。
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