2014 Fiscal Year Research-status Report
心サルコイドーシスの診断における特異的アクネ菌抗体を用いた免疫組織染色の有用性
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26461051
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
榊原 守 北海道大学, 大学病院, 助教 (90349366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
絹川 真太郎 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60399871)
筒井 裕之 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70264017)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 心サルコイドーシス / アクネ菌 / 免疫学的染色 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、多施設共同試験であるが、2014年度は、まだ他施設からの検体を回収することができなかったが当施設での検体および臨床データの解析をすることが可能であった。2014年度は、心内膜心筋生検(EMB)において、心サルコイドーシス群:9例、非心サルコイドーシス群、9例の検体が集まり、それぞれの患者背景、臨床データ、PAB抗体を含む免疫学的染色を含めた病理組織診断を検討した。心筋内におけるPAB抗体の陽性率は心サルコイドーシス群で有意に高値であり、PAB抗体は心サルコイドーシスの補助的な組織学的診断に有用となる可能性があることが示唆された。しかし,これまでの研究から,炎症細胞浸潤や線維化を伴わない組織におけるPAB抗体の陽性所見は潜伏感染を示唆すると考えられているため、現在、多施設より検体を回収し、さらなる検討を行っている。 解析結果の報告は、まだ論文化していないため、詳細は公表できないが、関係者に周知することを含め、下記、2つの発表を行い情報を共有している。引き続き、研究を続行していく。 ①2014年3月21日第78回日本循環器学会学術集会 演題名:Efficacy of Immunohistochemical Diagnosis with Propionibacterium Acnes-Specific Monoclonal Antibody in Patients with Cardiac Sarcoidosisを発表 ②2014年11月29日 第37回 心筋生検研究会 演題名:心サルコイドーシスにおけるPropionibacterium Acnes 特異的モノクローナル抗体の陽性率に関する検討を発表
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のように、昨年度までは、多施設の検体回収が不完全であったが、今年度は、多施設の検体の回収が期待できるためそのデータと今までのデータを合わせて、解析し、心サルコイドーシスの診断におけるPAB抗体による免疫学的検査の有用性を証明する。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、多施設の検体データと、今までの当院単施設でのデータを合わせて、評価・解析し、心サルコイドーシスの診断における新たなPAB抗体による免疫学的検査の有用性を証明する。その上で、早期に論文化することを行い、また海外での発表を行い、この分野のエクスパートの先生方と意見を交換することによって、本邦から新たな心サルコイドーシスの診断法を世界に発信できるよう努力する。
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Causes of Carryover |
予算より、旅費、参加費が安価であったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国内学会参加費×3回、海外学会参加費、採血検体検査、論文投稿料を計画している。
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