2014 Fiscal Year Research-status Report
新規発症した高度左室駆出率低下患者に対するβ遮断薬治療後の反応の予測
Project/Area Number |
26461061
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小山 潤 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (10303463)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 心不全 / スペックルトラッキングエコー / β遮断薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本学附属病院入院患者のうち新規発症した高度左室駆出率低下患者で、一般的治療としてのβ遮断薬導入対象となる患者に、観察研究であることを説明し、インフォームド・コンセントの得られたものを対象とする。 急性期の心不全治療が完了し、原因精査のための心臓カテーテル検査が終了し、β遮断薬投与の適応があると判断された患者の心機能を経過観察する。 平成27年5月現在までにすでに約50例の患者を本臨床研究に登録している。心エコー評価に関しては、すでに組織ドプラ法およびスペックルトラッキング法による解析を可能とするデータを記録している。上記の条件を満たす患者で、新たにβ遮断薬の投与を開始した患者数名を新規登録した。 β遮断薬はカルベジロールあるいはビソプロロールを選択する。選択は主治医の判断による。主に血圧の状態により2剤の選択がされる。すなわち、血圧、脈拍が保たれている患者ではビソプロロールが選択される確率が高くなり、低血圧、徐脈傾向を示す患者ではカルベジロールが選択される確率が高くなる。カルベジロール初期量1.25mg, ビソプロロール初期量0.625mgから投与を開始し、1週間ごとに投与量を倍増してゆく。治療開始前後で毎回心電図、心エコー検査、血算、生化学、血漿脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)の採血を行う。これらの検査は治療開始1、2週後、1、2、3、6、9、12ヶ月後に主に外来にて行う。検査担当者は同一検者とし、経時的比較が可能なように、心エコー画像断面、撮像条件を同一にして経過観察を行う。β遮断薬療法前に、心臓核医学検査(123I-MIBGと99mTc-MIBI)にて、心機能および心臓交感神経機能の評価を行った。すでに心エコーデータがある患者では、データを計測に向けてMOディスクからハードドライブに移し、計測を開始している。また、平成26年度に一部データの研究発表を行った(日本循環器学会)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度開始時点で12ヶ月までデータを記録できた患者は約40名でこれに加えて10名の追跡がなされている。また、3名の新規患者を追加登録し、β遮断薬を投与増量中である。既に心エコー画像データを記録済みの患者に関しては、スペックルトラッキングによる、左室機能を中心とした計測を順次開始している。計測は、購入した画像解析装置を用い、当初の予定通り計測が可能な体制となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き新規患者が発生した場合はエントリーを継続してゆく。エントリーが終了している患者はプロトコールに沿って経時的にエコーデータを記録してゆく。計測に関しては、画像解析装置に取り込んだデータを順次解析し、心機能の定量化を行ってゆく。
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