2016 Fiscal Year Annual Research Report
Prediction of reverse remodeling after beta-blocker therapy in patients with newly onset left ventricular dysfunction
Project/Area Number |
26461061
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小山 潤 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (10303463)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 拡張型心筋症 / β遮断薬 / 左室駆出率 / Reverse remodeling / スペックルトラッキング |
Outline of Annual Research Achievements |
新規発症した高度左室駆出率低下患者に対するβ遮断薬療法を行った患者を対象とした。本学附属病院入院患者のうち新規発症した高度左室駆出率低下患者で、一般的治療としてのβ遮断薬導入対象となる患者に、観察研究であることを説明し、インフォームド・コンセントの得られたものを対象とした。最終年度までに計54名の患者がエントリーされ経時的に観察された。左室駆出率は、心機能改善患者はβ遮断薬導入後6ヶ月の時点で改善を示し、この時点で改善がない患者では以後経過観察をしても左心機能の改善に乏しく、CRT-Dを行う患者が多かった。特に、拡張型心筋症の診断がなされた患者のうち、左室の肉柱が目立ち、左室緻密化障害(LVNC)と診断された患者に注目し、治療後の形態変化を追跡した。LVNCと診断された患者連続23名を対象とした。平均追跡期間は61か月で、半年後に左室区出率が改善(reverse remodeling: RR)を示した患者は9例、改善を示さなかった患者は14名であった。年齢はRR群で有意に若く、心不全罹患期間は有意に短かった。内服薬はACE阻害薬、ARB,β遮断薬アルドステロン拮抗薬、ワルファリン内服はRRのない群で服薬頻度が有意に高かった。治療前の心機能に関しては、左房、左室サイズ、僧帽弁血流、肺静脈血流、弁輪組織ドプラ指標肉柱の程度分布などに両者で差はなかった。経時的変化に関しては、治療開始後6か月までに改善が認められたグループは以後左室駆出率は維持され、非改善群では以後不変であった。スペックルトラッキング法による左室Global longitude strain(GLS)は非緻密化層の面積の変化と直線相関関係を認めた。RRを認めた群では心臓死はほとんどなかった。
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Research Products
(3 results)