2014 Fiscal Year Research-status Report
左室駆出率が保持された心不全患者の予後予測指標としての左心房機能の役割
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26461063
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
元木 博彦 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (50532058)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 拡張不全 / 左房機能 / スペックルトラッキング / 予後予測指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】左心室駆出率が保持された心不全(HFPEF)患者において、心血管イベント発生の予測因子として、左室駆出率よりも左心房機能が有用であるとの仮説を立証するものである。 【背景】左室駆出率は、心不全患者の予後予測因子として最も使用されてきた指標である。しかし近年、HFPEF患者の予後が、左室収縮不全患者と同等であると報告され、左室駆出率が必ずしも予後と関連しない指標であることが認識されるに至り、左室駆出率より鋭敏な左心室機能指標や、新たな心不全の予後指標が求められる時代となった。スペックルトラッキング法による心筋ストレイン計測は、簡便かつ高い再現性をもって心筋収縮様式を評価可能としたすぐれた手法であり、特に左心房ストレインにより評価された左房のリザーバー機能は左室拡張能を鋭敏に反映し、左心房筋組織の線維化と密に関連があることが示されている。 【方法】急性心不全で入院した症例を対象とする。心不全加療後、血行動態の安定を心臓カテーテル検査による心内圧測定で確認し、心機能を心臓超音波で評価する。左室駆出率、左心房容積と、左心房ストレインを評価する。心筋バイオマーカーとしてgalectin-3の測定も行う。心不全入院、心血管死亡を主要エンドポイントとして、予後の追跡調査を行う。心不全患者をHFPEF群(≧50%)と収縮不全群(<50%)に分類し、健常者も加えた3群で、左心房機能を比較しHFPEF症例における左心房機能障害の特徴を見出す。心筋ストレスや心筋線維化マーカーと左心房機能障害との関連を検証したうえで、HFPEF群における予後予測指標としての左心房機能の有用性を検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度、当科に入院した心不全患者について登録を進めている。現在40例の登録があり、追跡調査が遂行中である。今後3か月毎に患者と連絡をとり、医療情報を収集し、死亡、主要心血管イベント、心不全の発生を3年間前向きに追跡調査する。目標症例数は合計200症例を予定しているが、毎年の日本循環器学会学術集会総会で中間報告を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
症例数の不足が懸念される場合、県内の主要関連施設に協力を仰ぎ、心臓超音波検査結果や心臓バイオマーカーのデータを収集する。すでに心不全前向き登録観察研究として多施設共同研究の倫理委員会申請は受理されている。
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Causes of Carryover |
当初の計画よりも安価で研究が遂行可能であったため、次年度使用額を生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残額と平成27年度経費は臨床検査データの収集のために使用する。検査項目のうち特殊検査は測定に試薬や備品を必要とするため、それらの費用とする。また、研究成果の報告のための学会出張費用とする。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] Radial versus femoral access for primary percutaneous interventions in elderly patients with acute coronary syndrome : A subanalysis of the shinano registry.2015
Author(s)
Miura T, Miyashita Y, Motoki H, Shimada K, Kobayashi M, Nakajima H, Kimura H, Akanuma H, Mawatari E, Sato T, Hotta S, Kamiyoshi Y, Maruyama T, Watanabe N, Eisawa T, Aso S, Uchikawa S, Hashizume N, Sekimura N, Morita T, Ebisawa S, Izawa A, Tomita T, Koyama J, Ikeda U.
Organizer
米国心臓病学会議
Place of Presentation
サンディアゴ(アメリカ)
Year and Date
2015-03-14 – 2015-03-16
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[Presentation] Incremental prognostic value of assessing growth differentiation factor-15 in patients with acute myocardial infarction -ALPS AMI Subanalysis -.2014
Author(s)
Minamisawa M, Motoki H, Izawa A, Kashima Y, Yanagisawa T, Hioki H, Abe N, Miura T, Ebisawa S, Tomita T, Miyashita Y, Koyama J, Ikeda U.
Organizer
欧州心臓病学会議
Place of Presentation
バルセロナ(スペイン)
Year and Date
2014-08-30 – 2014-09-03
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[Presentation] Renewed Impact of Lidocaine on Refractory Ventricular Arrhythmias in the Amiodarone Era.2014
Author(s)
Yoshie K,Tomita T, Takeuchi T, Okada A, Ebisawa S, Miura T, Motoki H, Shiba Y, Izawa A, Miyashita Y, Koyama J,Ikeda U.
Organizer
CARDIOSTIM - EHRA EUROPACE
Place of Presentation
ニース(フランス)
Year and Date
2014-06-18 – 2014-06-21