2015 Fiscal Year Research-status Report
可溶型LOX-1血中濃度測定による特発性拡張型心筋症の重症度評価及び予後の検討
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26461064
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
青山 琢磨 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (60422713)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | sLOX-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、当院を受診、加療しているDCM 群(30 名)と非DCM 群(30 名、ACS 及び心不全患者は除く)に対して以下を検討し、明らかにする。 *血中sLOX-1 を測定し、健常者に比して、DCM 患者の測定値が高値であることを証明する。*両室心筋生検の組織切片においてLOX-1 発現量、線維芽細胞数、線維化面積を測定し、血中sLOX-1濃度との相関を明らかにする。2 群のsLOX-1 測定値と心エコー検査、心臓カテーテル検査において得られる以下の各測定値との相関を検討. sLOX-1 値と相関するパラメーターを検討し、見いだす。① 左室収縮能(心拍出量、左室駆出率、左室壁厚、左室心筋重量、左室拡張末期径、左室収縮末期径、左室拡張期容積、左室収縮期容積、左室圧、大動脈圧)② 拡張能(僧帽弁流入血流ドプラ波形、僧帽弁輪部組織ドプラ波形、肺静脈血流波形、左室TEI INDEX,左房径、肺動脈楔入圧) ③ 右心機能(右室拡張期径、拡張期面積、収縮期面積、三尖弁輪収縮期移動距離、右室TEI INDEX、肺動脈圧、右室圧、右房圧、中心静脈圧) *心不全のバイオマーカーとして確立されたBNP 及びトロポニンI 値との相関を検討する。*観察期間内(2 年)に、血中sLOX-1 濃度と①心不全にての再入院、②心臓死をきたした患者数との相関を検討する。 これまでの、研究にて、拡張型心筋症6名の血中LOX-1濃度、BNP、トロポニンI濃度測定を行うと同時に、心エコー、カテーテル検査施行した。症例は心筋生検を行い、病理的診断を行っている。一方、ドキソルビシン誘導性拡張型心筋症の病理解析も行っており、心筋細胞、内皮細胞、白血球、線維芽細胞のうち、心筋細胞に発現するLOX-1が最も発現が多く、機能的に重要であることが明らかになりつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究システムは完成しているが、対象患者である拡張型心筋症患者数が、目標に達していない。理由としては、研究参加の同意が得られないケースが多々あるためと、もともとの疾患罹患数が少ないことがあげられる。 積極的な研究への同意に苦慮すると同時に、紹介等を増やしていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
拡張型心筋症症例の蓄積を増やすために、他施設からの協力を要請する。 心不全対照群に関しては、血液検査、心エコー検査、心臓MRIの解析を進め、可溶性LOX-1濃度と、心臓の繊維化、心機能の関連を更に推し進めていく。基礎研究として、DOX誘導性拡張型心筋症をLOX-1欠損マウス、野生型マウスを用いることにより、同心筋症におけるLOX-1血中濃度を測定していく。
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