2014 Fiscal Year Research-status Report
心不全・動脈瘤の発症/進展におけるオステオプロテゲリンの関与
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26461076
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
鶴田 敏博 宮崎大学, 医学部, 講師 (10389570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 和雄 宮崎大学, 医学部, 教授 (50204912)
畠山 金太 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (60325735)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 心不全 / 骨粗鬆 |
Outline of Annual Research Achievements |
方法:オステオプロテゲリン欠損マウス(OPGKOマウス)と野生型マウスを用いて、加齢に伴う心臓の形態と機能評価を行った。 結果:(1)tail-cuff法を用いて8週齢と52週齢マウスの血圧測定を行った。OPGKOマウスは、8週齢、52週齢にて週齢相当の野生型マウスに比べてそれぞれ18%、12%、収縮期血圧の高いことが明らかとなった。(2)経胸壁心臓超音波検査を覚醒下のマウスに施行した。52週齢マウスの左心室は拡大し、壁厚は薄く、左室収縮力は低下した。(3)採取した心重量はOPGKOマウスで有意に増加し、リアルタイムPCR法で左室内マトリックスメタロプロテアーゼ‐2,‐9遺伝子発現が高値だった。また、ウェスタンブロット法でextracellular signal-regulated kinase (ERK)やc-jun N-terminal kinase (JNK)のリン酸化が亢進していた。(4)マイクロCTによる下肢骨の形態を評価したところ、OPGKOマウスの海綿骨量が8週齢、52週齢ともに野生型マウスに比して低下していた。(5)心筋内のreceptor activator of nuclear factor-kappab (RANKL)発現は感度以下だったが、その血中濃度は野生型マウスのそれに比して18倍増加した。 結論:OPGKOマウスは骨粗鬆のモデルとして知られるが、収縮不全を伴う高血圧を呈し、収縮不全は加齢とともに進行することが明らかとなり、骨粗鬆と心不全発症間に共通のメカニズムが存在する可能性が示唆された。加齢という過程で心機能低下を発症することは興味深く思われたが、心不全発症モデルマウスとしての有用性をさらに明らかにすることが必要で、さらに短期間で心機能低下を誘導できる方法がないかを考えたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2014年6月1日から2015年5月30日まで病棟医長を拝命し、病棟業務に従事したため、実験が思うように進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の実験結果を論文化し投稿した結果、リバイスとなったので病棟医長業務終了後は、追加実験を行い、論文のリバイスを進める。また、アンジオテンシンII負荷モデルについても実験結果をまとめる。
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