2015 Fiscal Year Research-status Report
たこつぼ心筋症における自律神経異常とカテコラミン受容体遺伝子変異の研究
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26461092
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 恭子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (80335942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小見山 智義 東海大学, 医学部, 准教授 (60439685)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | たこつぼ心筋症 / カテコラミン / アドレナリン受容体 / 心交感神経終末分布 / ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、前年度より登録したTCM患者のうち、研究参加に同意を得られた6名と健常人2名に対して自律神経機能検査、ストレステストとカテコラミン遺伝子の解析を行った。健常人と採血可能だったTCM患者においてストレステスト前後の血漿カテコラミンの比較では、ストレステスト前後における血漿ノルアドレナリン濃度差がTCM群において高い傾向を認めた (185.5±85.5 pg/ml vs 106.0±28.3 pg/ml)。また、同じく血漿アルドステロン濃度の差ではTCM群の方が低い傾向を認めた (12.6±12 pg/ml vs 43.4±6.5 pg/ml)。 また同時に、TCM患者のカテコラミン遺伝子をイルミナMiSeqを使うことで網羅的解析を行った。カテコラミン関連遺伝子のうち15遺伝子(ADRA1A, ADRA1B, ADRA1D, ADRA2A, ADRA2B, ADRA2C, ADRB1, ADRB2, ADRB3, DRD1, DRD2, DRD3, DRD4, DRD5, GNAI1)についてハイスループットシーケンサーを用い、ターゲットリシーケンス解析を行った。対象遺伝子の全エキソン約70kbpについてマルチプレックスPCRにより目的領域を増幅し、KAPA HyperPlus Kit (KAPA Biosystems)を用いてライブラリー調製をした。合計13サンプルについてDNAライブラリーを調製し、MiSeq Reagent Kit Nano v2 300cycle (Illumina)を用いて、150bpのペアードエンドシーケンシングを施行した。その結果、約59万リードの塩基配列が得られた。各サンプルにおいては、平均4.5万リード得られ、そのうちターゲット領域に平均86.4%マップされ、リードカバレッジは平均x114.6、ターゲットカバー率は平均99.6%だった。このマッピングデータをもとに変異解析したところ、全体で354個のSNVs(single nucleotide variations)が検出された。そのうちアミノ酸置換を伴う変異は59個あり、DRD3遺伝子における自閉症に関連する変異(rs6280)が13サンプル中 12サンプルで検出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
TCM患者に対する検討が遅れている。新規発症の患者においても全身状態が不良で研究対象として不適切と判断された症例が散見された。また、ストレステストの際に心電図波形と連続血圧波形より、low frequency component of systolic BP variability (LFSBP)による交感神経機能機能の評価を行うためのアルゴリズムを最適化するために時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き対象者の募集を広く募り、特にTCM患者ではカテコラミン関連遺伝子採血のみの症例も積極的に組み入れる方針である。カテコラミン関連遺伝子実験においては今回確認された変異を中心に今後患者サンプルを追加して、詳細な解析を行う予定である。 さらに、来年度は新たに実験担当者をリクルートしてシークエンシングや臨床データ取得時の助手、データクリーニングなどを効率化する方針である。
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Causes of Carryover |
本年度予定していた検査件数が目標数に届かなかったために物品費等で10万円程度の残額が発生した。また、ストレステストの際に心電図波形と血圧波形よりBaroreflex sensitivity(BRS) とlow frequency component of systolic BP variability (LFSBP)による交感神経機能機能の評価を行うための波形解析ソフトを用いたプログラムを発注予定であったが、当初用意していたアルゴリズムに不具合があったため、修正を行ったため発注に遅れが生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度前期の検査件数を増加する予定である。また、プログラムの発注を速やかに行い、これまでの自律神経機能検査に加えてBRS, LFSBPの評価を行う。 次年度は本年度まで行ったストレステスト実施状況に基づき、同テストに含まれる質問項目の一部を、タブレット型端末で被験者に直接入力してもらう様にプロトコルを変更予定としている。そのためにベッドサイドで用いているPCをタブレット型へ交換する予定であるため、その予算の一部にも用いる。
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