2015 Fiscal Year Research-status Report
心エコー指標による心房細動患者の心血管イベント発症と予後予測に関する検討
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26461096
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
宮坂 陽子 関西医科大学, 医学部, 講師 (10343675)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 心房細動 / 心エコー図 / 心血管イベント / 予測因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
心房細動は持続性の不整脈のうち最も頻度の高い疾患で、年齢的因子を除外しても過去20年間その発症頻度は有意に上昇し、一方、その死亡率に明らかな改善を認めていないことが判明している。また心房細動患者は心房細動のない患者に比し、入院の頻度や医療費も有意に高く、今後高齢化する日本において社会・医療経済的にも問題となる疾患であり、その心血管合併症の発症や予後予測因子の検討は重要な課題である。
洞調律患者では、臨床的リスク因子に心エコー指標を追加することによるリスク層別化の有用性は証明されているが、心房細動患者の心エコー指標に関する報告は少ない。しかし近年、先行する2心拍のRR間隔が比較的等しい後の心拍で測定するindex beatの有用性が報告され、心房細動患者での心エコー評価が可能であることが証明された。そこで本研究で、心房細動の日本人コホートにおける心血管イベント発症とその予後予測に役立つ心エコー指標、血液マーカーを検討することを目的とする。
研究対象は、当院を受診した心房細動患者を対象とする。全ての患者で臨床的基礎データ、心臓超音波検査、血液生化学的データを収集する。研究対象患者の心血管イベント発症の有無を前向きに最低1年間の経過観察を行い、経過観察中に心血管イベントがおこった群と、おこらなかった群間の、臨床的、血液生化学的、心臓超音波的データの比較検討をする。また心不全の予測因子をCox regression多変量解析、心血管イベント発症頻度の差をKaplan-Meier曲線を用いて比較検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに対象基準を満たす心房細動患者約500例を研究対象とし基礎データを収集、心血管イベントを前向きにフォローしている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究対象患者は心血管イベント発症 (心不全、脳梗塞、虚血性心疾患、死亡) の有無を前向きに経過観察を行い、経過観察中に心不全がおこった群と、おこらなかった群間の、臨床的、血液生化学的、心臓超音波的データの比較検討をする。心血管系イベントの予測因子をCox regression多変量解析で評価する。心血管系イベントの発症頻度の差をKaplan-Meier曲線を用いて検討する。
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Causes of Carryover |
本年度は予定よりも検査業務委託料を必要としなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の解析ソフト、印刷代・製本代などに使用する予定である。
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