2017 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of prognostic factors and efficacy of early treatment for borderline pulmonary arterial hypertension
Project/Area Number |
26461107
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
山田 典一 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (60303731)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 肺高血圧症 / 早期治療介入 / 運動負荷 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、膠原病患者を対象に、将来的に肺高血圧症に進展するリスクの高い症例を抽出できないか、また、肺高血圧症を来す前の境界領域の段階からの早期治療介入が病勢の進行に与える効果や安全性を明らかにすることを目的としている。 息切れなど胸部症状を有するか、症状がなくても心臓超音波検査で右心負荷所見を有する患者をエントリーし、右心カテーテルによる血行動態指標の測定を安静時ならびに運動負荷時に行った。安静時に平均肺動脈圧が25mmHgを超えていない患者37例を対象として、右心カテーテルを留置したまま、アンギオ台上でエルゴメーターによる負荷を漸次増加させ、平均肺動脈圧が30mmHg以上に上昇した症例31例を早期薬物治療介入群(E群)と非介入群(N群)に割り振り、1年ごとに同様の検査によって病勢の進行の有無や両群間での血行動態各指標の違いを検討した。両群間での患者の年齢や性別など背景やBNP値、安静時の肺動脈圧や肺血管抵抗地に有意差はなかった。安静時の平均肺動脈圧(MPAP:mmHg)はE群とN群間でベースラインと1年後では16.8±6.7→14.6±1.9、18.0±3.1→16.0±4.7と差は認めなかったが、最大運動負荷時には43.2±10.7→41.2±6.1、38.0±5.8→40.7±6.8、肺血管抵抗(Wood単位)は2.32±0.6→1.48±0.55、1.68±0.5→2.15±1.0と統計学的有意差はないものの、E群で低下傾向に対しN群では上昇傾向を認めた。ΔMPAP(mmHg)は26.4±6.1→26.6±6.2、20.0±4.7→24.7±4.9とN群で有意に上昇していた。さらにΔMPAP/ΔCOは8.2±1.9→6.0±3.5、3.7±1.5→5.6±2.5とN群で有意に上昇していた。運動誘発性肺高血圧症に対する早期薬物治療介入は病勢進行抑制に安全かつ効果的であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)