2014 Fiscal Year Research-status Report
高脂肪低炭水化物食による心不全改善効果の検討:心機能と心筋代謝への影響の解明
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26461124
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東口 治弘 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40436358)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 食事療法 / 高脂肪低炭水化物食 / 心肥大 / 心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全は心臓のポンプ機能の低下により全身に必要量の血液を供給できない状態であり、その際心筋細胞では主なエネルギー産生経路が脂質代謝から糖代謝に移行する。糖代謝は脂質代謝と比較しエネルギー産生量が少なく、実際に不全心ではエネルギー産生量が低下しており、エネルギー不足がさらに心機能低下を招いている。エネルギー産生量を増加させ、心筋細胞に必要量を供給することが心機能を改善させる1つの治療法となる可能性がある。高脂肪低炭水化物食は脂質代謝を再活性化させ、エネルギー産生量を増加させると報告されている。今回の研究では心不全発症マウスに高脂肪低炭水化物食を負荷することでエネルギー産生量を増加させ、心不全の発症進展を抑制できないか検討している。 高脂肪低炭水化物食による心不全発症進展の抑制効果を検討するにあたり2種類の心不全発症モデルマウスを使用している。1つは高血圧性心疾患モデルマウスである。このモデルマウスは弓部大動脈を縮窄し、上行大動脈の血圧を上昇させる。圧負荷により心肥大が誘導されその後心機能が低下するモデルマウスである。このモデルマウスに術前より高脂肪低炭水化物食を負荷し、経時的に心エコーで心機能を評価した。高脂肪低炭水化物食により心肥大と心不全発症が抑制された。もう一つのモデルは拡張型心筋症モデルマウスである。ヒト拡張型心筋症の原因遺伝子である心筋αアクチン遺伝子の変異遺伝子を心臓特異的に過剰発現させた遺伝子改変マウスである。このモデルマウスはヒト拡張型心筋症の病態や自然経過に極めて類似している。この拡張型心筋症モデルマウスに、心機能が保持されている2ヶ月齢より高脂肪低炭水化物食を開始し、経時的に心機能を評価した。初年度の実験結果からは高脂肪低炭水化物食による心機能への影響は明らかでなく、現在マウスの数を増やし再検中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度で、高血圧心疾患モデルと拡張型心筋症モデルに高脂肪低炭水化物食を投与し、それぞれのモデルマウスの心機能を評価できた。概ね当初の予定通り実験は進められており、実験経過は順調と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の実験で高脂肪低炭水化物食による心肥大抑制効果を認めたため、次年度はその機序の解明を目指す予定である。改善機序のひとつとしてエネルギー産生量の増加を考えており、ATP産生量の測定とqRT-PCRにより脂肪酸β酸化に関与する因子の発現量を評価する。 拡張型心筋症モデルへの高脂肪低炭水化物負荷については、マウスの数が少なく評価が不十分である。今年度はまずマウス数を増やし,統計解析を行うのに充分な匹数を追加する。
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Causes of Carryover |
当該年度にオフライン解析装置ライセンスを購入予定であった。当該年度当初、マウス専用エコー機に不具合がありライセンスの購入を考えていた。しかし本体の修理によりその不具合が改善したためライセンスの購入は中止した。ライセンス購入の費用として計上していた物品費が次年度使用額となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は高脂肪低炭水化物食の心肥大抑制効果の機序を明らかにするため、マウスを用いたin vivoと培養心筋細胞を用いたin vitroの実験を行う予定である。また、拡張型心筋症モデルマウスは匹数を追加するin vivoの実験を行う予定である。これらの実験を行うにあたり、物品費として1,000,000円、その他として438,246円を計上する。また、実験結果を公表するため、学会に参加予定であり、旅費として200,000円を計上する。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Metabolic dysfunction consistent with premature aging results from deletion of Pim kinases2014
Author(s)
Din S, Konstandin MH, Johnson B, Emathinger J, Volkers M, Toko H, Collins B, Ormachea L, Samse K, Kubli DA, De La Torre A, Kraft AS, Gustafsson AB, Kelly DP, Sussman MA.
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Journal Title
Circ Res
Volume: 115
Pages: 376-387
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Differential regulation of cellular senescence and differentiation by prolyl isomerase Pin1 in cardiac progenitor cells2014
Author(s)
Toko H, Hariharan N, Konstandin MH, Ormachea L, McGregor M, Gude NA, Sundararaman B, Joyo E, Joyo AY, Collins B, Din S, Mohsin S, Uchida T, Sussman MA
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Journal Title
J Biol Chem
Volume: 289
Pages: 5348-5356
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Cardiac progenitor cells engineered with βARKct have enhanced β-adrenergic tolerance2014
Author(s)
Khan M, Mohsin S, Toko H, Alkatib M, Nguyen J, Truffa S, Gude N, Chuprun K, Tilley DG, Koch WJ, Sussman MA
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Journal Title
Mol Ther
Volume: 22
Pages: 178-185
DOI
Peer Reviewed / Open Access