2015 Fiscal Year Research-status Report
心筋症・心不全発症機構の伸展刺激感受性イオンチャネル機能解析からの解明
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26461139
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
岩田 裕子 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (80171908)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 筋変性 / 心筋症 / 筋委縮 / 心不全 / カルシウム透過チャネル |
Outline of Annual Research Achievements |
筋ジストロフィー(筋ジス)、心筋症など筋細胞変性疾患全般に有効な治療薬の開発を目指している。そのため筋変性疾患に共通のリスクファクターを見つけることは重要な課題である。筋ジスにおける筋細胞内は恒常的にCa2+が上昇した状態にあり、その要因の1つとして標的イオンチャネルを介するCa2+流入が重要であることをモデル動物を用いて明らかにしてきた。チャネルを阻害する抗体、N末端ドメインによる標的チャネル形質膜濃縮の抑制が筋ジス、心筋症に有効であることを報告してきた。筋変性は悪性腫瘍によっても誘導され(癌悪液質)筋肉の委縮、機能低下を伴うことが知られている。癌悪液質筋委縮においてジストロフィン量が減少することが報告され(Cancer Cell 2005)、筋ジスと同様の筋変性機構が存在していることが示唆されたがその詳細並びに治療法は未だ不明である。筋ジスにおける筋変性で関与が認められた標的チャネルおよびCa2+異常が癌悪液質筋委縮にも関与するかを検討した。また、市販薬のスクリーニングで同定されたチャネル阻害薬(トラニラスト)の有効性を癌悪液質筋委縮、心筋症、重症心不全動物モデルを用いて検討した。標的チャネルがあまり関与しないことが判明した癌悪液質による筋委縮にはチャネル阻害剤(トラニラスト)の効果が認められなかった。他方、標的チャネルの関与が示唆されている心筋症ハムスター、糖鎖異常の心筋症マウスの心筋収縮機能の悪化はトラニラスト投与により抑制された。標的チャネルが関与する筋変性の阻害にはチャネル阻害剤が有効であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
標的とするイオンチャネルが関与する筋変性とあまり関与しない筋変性があることを明らかにしたため治療標的が絞られた。
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Strategy for Future Research Activity |
標的チャネルの生理的意義の解明を中心に研究したい。
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Causes of Carryover |
予定していた交通費が招待講演となりいらなくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度、成果の発表のための交通費として使用する。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Osmosensation in TRPV2 dominant negative expressing skeletal muscle fibres.2015
Author(s)
Zanou N, Mondin L, Fuster C, Seghers F, Dufour I, de Clippele M, Schakman O, Tajeddine N, Iwata Y, Wakabayashi S, Voets T, Allard B, Gailly P
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Journal Title
JOURNAL OF PHYSIOLOGY
Volume: 593
Pages: 3849-3863
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] 新しい心筋症治療薬の開発2015
Author(s)
岩田裕子
Organizer
第2回筋ジストロフィー医療研究会(特別企画)
Place of Presentation
大阪大学中之島センター
Year and Date
2015-10-24 – 2015-10-24
Invited
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[Presentation] Absence of TRPV2 impaired BAT thermogenesis in mice2015
Author(s)
Sun W, Uchida K, Suzuki Y, Zhou Y, Kim M, Takayama Y, Takahashi N, Goto T, Wakabayashi S, Kawada T, Iwata Y, Tominaga M
Organizer
5th International Ion Channel Conference
Place of Presentation
中国
Year and Date
2015-06-26 – 2015-06-30
Int'l Joint Research
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