2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26461169
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
山口 悦郎 愛知医科大学, 医学部, 教授 (10201831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 歩 愛知医科大学, 医学部, 助教 (30374292)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | GM-CSF / 自己抗体 / エピトープマッピング / 肺胞蛋白症 |
Outline of Annual Research Achievements |
自己免疫性肺胞蛋白症の抗原であるGM-CSFは144アミノ酸から構成されている。そこで12あるいは13アミノ酸残基からなり、隣接するものとは3アミノ酸残基重複するペプチドを45種合成した。それをジメチルホルムアミドで溶解後10μg/mlの濃度に希釈し、通常の96穴ELISAプレーに固相化した。次いでそこに患者あるいは健常者血清を1000倍に希釈して添加し、2時間後に洗浄した。次いでビオチン標識抗ヒトIgG抗体を添加し、洗浄後にストレプトアビジン・ペルオキシダーゼ複合体を添加し、洗浄後に基質による発色を波長450nmの吸光度を測定し、IgG抗体価とみなした。結果として一部のペプチドで他と比較して吸光度の上昇を認めたが、健常者との差は確認できず、非特異的な結合のみと考えられた。 その理由として、エピトープの位置をより狭くとらえようとした結果、ペプチド長を短くし過ぎ、そのためエピトープが分断されて抗体の特異的結合が成立しなかったと考えた。そこで次に全長29ないし30残基で、隣接するものと6アミノ残基重複するペプチドを合成し、同様に検討した。その結果24-52番アミノ酸と115-144アミノ酸で他より高い吸光度を呈したが、健常者でも同様だった。GM-CSF全長に対する吸光度との比率でみても同様であり、健常者との差異を確認できず、結果はペプチドとの非特異的結合であると考えられた。用いるELISAプレートを変更しても同様であった。またプレート底面に固相化することが、非特異的結合を生むと考え、ストレプトアビジン被覆プレートに、ビオチン標識ペプチド(24-52番アミノ酸)を結合させた後、同様に血清中IgGの結合をみたが、やはり健常者との差を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
現在のところGM-CSF分子のどこに結合する抗体が、患者血清中に多いのかを特異的に評価する方法を確立し得ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
各ペプチドに結合するIgGを捉える抗体の特異性が低い可能性が高いので、それを変更してまず同様な系での測定を試みる。それが不調であれば、液相でペプチドと抗体との結合をみる方法を検討する。さらには表面プラズモン共鳴法の実施を検討する。
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Causes of Carryover |
研究に要する試薬等で、ちょうど残余学と同額になるものがなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度と合わせて、消耗品として使用予定である。
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