2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a novel method for assessing drug resistances using recombinant mycobacteria
Project/Area Number |
26461173
|
Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
中田 登 国立感染症研究所, ハンセン病研究センター 感染制御部, 主任研究官 (70237296)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 仁彦 国立感染症研究所, ハンセン病研究センター 感染制御部, 室長 (20569694)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | MAC / 薬剤耐性 / Mycobacterium avium |
Outline of Annual Research Achievements |
肺MAC症の病原体であるMycobacterium aviumの薬剤耐性獲得状況を調べるため、未治療の患者から分離された50株のM. aviumについて薬剤感受性試験をしたところ、リファンピシン、レボフロキサシン、クラリスロマイシンに対する耐性率はそれぞれ52%、68%、6%であった。結核菌などでは、リファンピシン耐性、レボフロキサシン耐性はそれぞれrpoB遺伝子、gyrBA遺伝子の変異で起こるとされている。DNA診断による薬剤耐性の判定の可能性を検討するため、これらの株の薬剤耐性がそれぞれの薬剤の標的遺伝子の変異によるものであるかどうかを調べる実験系の構築を行った。耐性菌から得られたrpoB遺伝子、gyrA遺伝子について、迅速発育性抗酸菌Mycbacterium smegmatisのrpoB、gyrA遺伝子を置換した組み換え株を作製してその薬剤感受性を調べたが、リファンピシン感受性、レボフロキサシン耐性を示さなかったことから、臨床分離株に見られたリファンピシン耐性、及びレボフロキサシン耐性の性質は、それら遺伝子中の変異によるものではないことが示唆された。クラリスロマイシン耐性を示した株について、標的遺伝子であるrrl遺伝子の塩基配列を調べたがクラリスロマイシン耐性との関連が示されている2058、2059番の位置に変異は見られなかった。rrl遺伝子に関してもM. smegmatisでの遺伝子置換株を作製し、2058、2059番に人為的に変異を入れたものを作製して調べると耐性を示したことから、変異と耐性の直接の因果関係が示されたが、未治療患者から得られたM. aviumの薬剤耐性はそれぞれの薬剤の標的遺伝子の変異によるものではないことが示唆された。
|