2016 Fiscal Year Annual Research Report
Cross-talk between Th cells and inflammatory macrophages in chronic inflammatory respiratory diseases
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26461178
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
森島 祐子 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10375511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 幸雄 筑波大学, 医学医療系, 教授 (80272194)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Th17 / Th1 / 非結核性抗酸菌症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究のテーマは、Thバランスが炎症性マクロファージの遊走や分化、炎症成立にどのように関与するかについてである。昨年度から引き続き、本年度も非結核性抗酸菌症マウスモデルを用い、肉芽腫性疾患におけるT細胞特異的転写因子の役割、Th炎症のフェノタイプを解析することで、その免疫学的病態を検討した。 肉芽腫形成は非結核性抗酸菌症において生体防御反応の一つと考えられ、その成立にはマクロファージのほか、Tリンパ球活性化による免疫反応が関与することが示唆されている。これまで我々はTh1細胞の分化誘導を制御する転写因子T-betの遺伝子改変マウス欠損マウスを用い、Th1細胞環境が抗酸菌感染症の病態を制御する宿主因子の一つであることを検証した。そこで今年度は、Th17細胞の分化誘導を制御する転写因子RORγtの遺伝子改変マウスに抗酸菌を曝露し、Th17フェノタイプが結核性抗酸菌症の病態にどのように影響するか検討した。RORγt高発現マウスと野生型マウスとでは、抗酸菌曝露後の肺・脾臓・肝臓組織での抗酸菌増殖や生存率に差異はなく、Th17細胞環境は非結核性抗酸菌の全身への感染拡大には影響していないと考えられた。しかし、RORγt高発現マウスでは野生型マウスと比較して好中球性肺炎症は増強し、さらに同マウスの肺組織ではIL-17およびIL-6が増加していた。また、一部のIL-17産生リンパ球はIFNγも同時に産生していることが確認された。以上より、Th17細胞環境は非結核性抗酸菌症の病態において肺局所の炎症増強に寄与すると考えられた。今後はThバランスと炎症性マクロファージとのクロストークについてさらに検討を加える予定である。
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