2014 Fiscal Year Research-status Report
アスベスト関連腫瘍における新規アクチン結合蛋白質を介した新たな発癌機構の解明
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26461180
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
古賀 康彦 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10533862)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アスベスト / アクチン結合タンパク / p116Rip / 肺癌 / ミオシン |
Outline of Annual Research Achievements |
アスベストによる肺疾患の発症までには暴露から数十年かかると言われており、アスベストの輸入量が1974年にピークであった事を考慮すると今後、さらにアスベスト関連肺疾患数が増加していく事が懸念されている。アスベスト肺癌の発症要因として癌抑制遺伝子の異常やEMT間葉系への影響などの報告があるが、未だに不明な点が多い。また、アスベスト関連肺癌の発症には、肺の腺維化が発癌メカニズムに重要であると考えられている一方で、アスベスト自体が肺癌発生に重要であるとの報告もある。アスベスト結合能を有するタンパク質の研究では、in vivoにおいてアスベストの肺胞上皮から間質への移動に際してアクチンフィラメントが重要とされており近年、アスベスト繊維に特異的に吸着するタンパク質としてアクチンの結合能が高いことがわかってきた。我々はこれまでにミオシン、及びアクチンに結合能を有する新規タンパク質として、ミオシンのリン酸化に影響を及ぼすp116Ripを同定してきた。これまでの研究では、p116Ripが細胞の走化性や運動に影響を及ぼしている事が考えられている。アクチンはフィラメント構造を形成し、その上をモーター活性を有するミオシンが自身のリン酸化を介して移動することがわかっている。そこで本研究では、p116Ripとアスベストが共にアクチンに結合能を有する事によって、p116Ripがアスベスト関連肺疾患において何らかの役割があるとの仮説を検証するために、アスベスト吸入歴のある肺癌組織において、非アスベスト肺癌の組織を用いて、アクチンやp116Ripの発現の程度を免疫染色にて検討し、アクチン結合タンパク質であるアスベストとp116Ripの関連性と、p116Ripのアスベスト関連肺腫瘍の発生過程に関わるシグナルメカニズム及び、臨床学的経過への影響を解明していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒトアスベスト肺の組織標本を用いた免疫染色を予定通り、遂行することができているので、今後はその免疫染色の結果の解析や症例の蓄積をさらに進めていく。また大気micro PIXEによる解析も同様に進行が滞りなく進んでおり、免疫染色同様に、PIXE分析結果の解析も今年度中に進めて、PIXE解析の結果と免疫染色との相関性や、疾患の経過と免疫染色あるいはPIXE解析の結果との相関性を詳細に検討していく。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は初年度に行えた実験を異なる肺組織を用いて、繰り返し行い、アクチンやp116Ripとの関連性を症例数を増やして検証を進め、大気micro PIXEの解析結果も順次まとめていき、免疫染色と大気micro PIXEとの結果の相関性を検討する。
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Research Products
(6 results)