2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26461185
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齋藤 朗 東京大学, 保健・健康推進本部, 助教 (90591412)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肺胞上皮細胞 / トランスクリプト―ム / 転写ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
肺上皮細胞のリプログラミングに関連する下記のような研究をすすめた。 (1)システム生物学の活用: 肺の器官形成における転写ネットワーク・遺伝子発現制御の階層性を明らかにするため、公共データベースから入手できるトランスクリプトームデータの解析を行った。共同研究者と、遺伝子発現・転写因子制御・生物学的機能を統合的に解析できるウェブツールの開発に関わった(TransReguloNet:Kibinge et al)。 (2)肺上皮細胞と非小細胞肺癌細胞のCAGEデータの比較解析: 様々な細胞の転写開始点を網羅的に同定し、全ゲノムレベルでのプロモーター・エンハンサー活性を解析(CAGE解析)するFANTOM5データベースを活用して、肺上皮細胞と非小細胞肺癌細胞のCAGEデータの比較を行った。さらにメチロームデータや脱メチル化剤による遺伝子発現変化を統合的に解析した。これらの解析により、脱メチル化によって発現が制御され、肺上皮細胞の癌化に関連する遺伝子、non-coding RNA、さらに特異的な反復配列が同定された。 (3)肺小細胞癌のトランスクリプトーム解析: 上述のような転写ネットワーク解析の手法を活用して、肺小細胞癌のトランスクリプト―ム解析を行い、遺伝子発現パターンに基づくサブタイプの存在が明らかになった。 (4)マウスモデル: マウスII型肺胞上皮細胞の分離培養を行い、I型肺胞上皮細胞に分化させる実験モデルを活用した。この実験系において調節性分泌機構の制御や、TGF-beta・BMPシグナルの役割について検討を行った。さらにブレオマイシン誘導性マウス肺線維症モデルを活用し、肺胞上皮細胞の傷害が関与する肺線維症の病態解明を目指して検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
肺上皮細胞の分化誘導法の開発は遅れているが、研究を進める過程で非小細胞肺癌・小細胞肺癌・肺線維症などの疾患の病態解明に結び付く知見が得られ、複数の研究プロジェクトが派生・進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
初期の目的は肺上皮細胞のリプログラミングであったが、現状では肺上皮細胞(気道上皮細胞や肺胞上皮細胞)のidentityとは何か、という細胞特性を探求する課題へと軌道修正している。 肺上皮のホメオスターシス維持機構の破綻という観点から、疾患病態の理解へとつなげたい。
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Causes of Carryover |
研究の進捗がやや遅れたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
肺上皮細胞に関する研究に使用する
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[Journal Article] Fibroblast VEGF-receptor 1 expression as molecular target in periodontitis2016
Author(s)
Ohshima M, Yamaguchi Y, Ambe K, Horie M, Saito A, Nagase T, Nakashima K, Ohki H, Kawai T, Abiko Y, Micke P, Kappert K
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Journal Title
J Clin Periodontol
Volume: 43(2)
Pages: 128-37
DOI
Peer Reviewed
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