2016 Fiscal Year Annual Research Report
The crucial role of PLCepsilon in a mouse model of acute lung injury
Project/Area Number |
26461188
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小林 和幸 神戸大学, 医学研究科, 講師 (50403275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 善博 神戸大学, 医学部附属病院, 特命教授 (20291453)
永野 達也 神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (80624684)
田村 大介 神戸大学, 医学部附属病院, 非常勤講師 (80646597)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | PLCε / ALI |
Outline of Annual Research Achievements |
ホスホリパーゼCε (PLCε)の野生型(WT)マウスおよびノックアウト(KO)マウス由来の肺胞上皮細胞の初代培養を使用して、LPS刺激をした際の細胞内シグナル伝達におけるPLCεの役割について解析を行った。PLCεがどのようなシグナル経路を介して好中球性炎症に関わっているのかをマウスの肺胞上皮細胞をLPS500 ng/mlで刺激した後に蛋白を回収しウェスタンブロッティングを行った。またケモカインの産生に関わる時間経過を知るためにLPS刺激後30分、1時間、2時間、4時間、8時間、16時間で蛋白を回収した。P65(S536)NF-KBのリン酸化はLPSの刺激により増加し、1時間、2時間の比較的短時間の時相にてWTマウスと比較してKOマウスでのリン酸化が抑制された。同様にNF-KBの活性化をIKβα(S32)のリン酸化で確認したがLPS刺激によりIKβαのリン酸化は増加するもののWTとKOでは大きな違いは認めなかった。またP38MAPKのリン酸化はLPS刺激によって増強し、2時間、8時間、16時間でWTと比較してKOマウスでリン酸化が抑制された。よってPLCεはNF-KB、P38MAPKシグナルを介してCXCケモカインの産生に関わっていると考えられた。ALI/ARDSについては、その詳細なシグナル経路、上皮細胞と炎症細胞との相互作用などについては未だ明らかにはされておらず、本研究によって初めてLPS誘導性の好中球性炎症におけるPLCεの役割が明らかとなった。PLCεは有効な治療法がなく、極めて死亡率の高い本疾患に対する、新しい治療ターゲットになりうると期待される。
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Research Products
(1 results)