2014 Fiscal Year Research-status Report
自家骨髄細胞の肺線維化病態への臨床応用に向けた培養系構築と脾臓の役割に関する研究
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26461201
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
神尾 孝一郎 日本医科大学, 医学部, 助教 (20465305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吾妻 安良太 日本医科大学, 医学部, 教授 (10184194)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 特発性肺線維症 / 自家骨髄細胞 / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は難治性疾患である特発性肺線維症 (IPF)に対する自家骨髄細胞の臨床応用を確立するための前臨床のマウスを用いたin vivoでの検討である。本研究はGFPトランスジェニックマウスの骨髄細胞を用いる予定であるが、その前段階の検討として入手が容易なC57BL/6マウスの骨髄細胞を用いて検討を行った。マウスの大腿骨・脛骨から骨髄細胞を採取、これをブレオマイシン (BLM)投与後のマウスに、Day0, 7, 14, 21に1×10*5/bodyで尾静脈から投与し、Day28にsacrificeした。その結果Day0と7の投与で肺の線維化が抑制された。投与する骨髄細胞を5×10*5に増やした所、肺の線維化は逆に悪化した。これらは骨髄細胞全体を用いた検討であり、mesenchymal stem cells (MSC)が含まれているため、既報にある様にMSCによる肺線維化の抑制効果が寄与している事も考えられた。 このため当初の計画通り、無血清培地を用いた培養骨髄細胞を用いた検討を開始した。採取した骨髄細胞をStemPro MSC Xeno Free mediumを用いて14日間培養した。これらの細胞の表面抗原の検討では、CD45, CD11bが陽性、また間葉系細胞の指標であるCD90は陰性であり、肝硬変モデルマウスで行われている既報の細胞と同様のpopulationであることが確認された。肝硬変モデルマウスでは、同細胞を1×10*4/bodyでマウスに投与した所、肝線維化の改善が見られた。このためこれらの細胞を同様にBLM誘発肺障害マウスにDay7, 14で投与した所、肝硬変で確認されたものとは異なり、線維化はむしろ悪化する傾向が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
骨髄細胞はマウスの大腿骨と脛骨より採取するが、骨髄細胞の収量を安定させるのに技術と熟練を必要とした。しかしながら複数回繰り返すことにより、実験の遂行に十分な量の骨髄細胞を安定して確保することができるようになった。また骨髄細胞の培養条件の検討に時間を必要とした。 技術的な要因以外では、動物飼育ならびに実験室の改修工事があり、実験ができない期間があった。
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Strategy for Future Research Activity |
非培養骨髄細胞を用いた検討では、投与する細胞数が増加するほど、線維化の悪化がみられた。このため培養骨髄細胞の投与量として、1×10*4では細胞数が多いことも考えられ、今後至適な投与細胞数を検討する予定である。またGFPマウスは理化学研究所に発注済みである。
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Causes of Carryover |
培養骨髄細胞の至適投与量の検討があり、予算の多くを当てたGFPトランスジェニックマウスを使用できていないために、次年度使用額が生じました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
GFPトランスジェニックマウスを用いた実験に速やかに移行したいと考えています。購入に関しましては、すでに理化学研究所に発注済みです。
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