2016 Fiscal Year Annual Research Report
Vicious cycle toward glomerulosclerosis
Project/Area Number |
26461210
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
長田 道夫 筑波大学, 医学医療系, 教授 (10192238)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ポドサイト / 糸球体硬化 / インテグリン / PAI-1 / 過酸化脂質 / 泡沫細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、糸球体上皮細胞(ポドサイト)の剥離に誘導される糸球体濾過障壁の障害の伝搬機構とk7糸球体局所の細胞生物学的反応と検討し、ポドサイト剥離が糸球体硬化に進展する機序を病理学的に明らかにするものである。ポドサイト特異的にヒトCD25を発現するマウスと、培養ポドサイト細胞を使い以下の研究結果を得た。1. ポドサイト特異的障害が起きると、局所の毛細血管内にplasminogen activator inhibitor (PAI-1)が発現し、血中のuPAと結合体を作りポドサイトと基底膜を接着するbeta1インテグリンのポドサイト内エンドサイトーシスによりポドサイト剥離が加速することで硬化病変が拡大する。いわゆるvicious cycleが存在する。2. ポドサイト剥離により、毛細血管内に脂質が沈着し酸化することで、血中のマクロファージを局所にトラップし、硬化病変を形成する。この過程に、過酸化脂質への変換と泡沫細胞化が起きること、それを促す分子機構として、macrophage inhibitory factor (MIF)やmonocyte chemotactic protein 1 (MCP1)の、内皮細胞からの発現亢進、またメサンギウム細胞からのMIF発現など、局所の接着分子の発現亢進が重要であることが判明した。以上から、本研究の目的である、ポドサイト特異的障害に連鎖する局所反応が糸球体硬化の背景にあること、そしてその分子機構の一端を明らかにした。本研究成果は、国際学会、あるいは国際誌に原著として発表した(Kobayashi N et al. Am J Physiol 2016, Hara S, st al. Am J Pathol 2016)
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Research Products
(5 results)