2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of factors related to the development and progression of vascular lesions in patients with autosomal dominant polycystic kidney disease
Project/Area Number |
26461217
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山田 和徳 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任准教授 (90397224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川野 充弘 金沢大学, 附属病院, 講師 (20361983)
山岸 正和 金沢大学, 医学系, 教授 (70393238)
小野江 為人 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (80603498)
川尻 剛照 金沢大学, 医学系, 准教授 (90345637)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 常染色体劣性多発性嚢胞腎 / 脳動脈瘤 / 血管病変 |
Outline of Annual Research Achievements |
常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)は、両側腎に多数の嚢胞を認める遺伝性疾患である。ADPKDでは嚢胞病変だけでなく、脳動脈瘤、弁膜症などの心臓合併症を高率に合併しうる。我々は脳動脈瘤を合併した一家系よりPKD2遺伝子異常697fsXを見出した。そこで、ADPKDにおける血管病変発症・進展に関与する因子を解明することを本研究の目的とした。 我々は697fsXを導入したトランスジェニックマウスを作成した。本マウスでは、尿細管拡張および嚢胞形成を認めるが、既存のモデルと比較して緩徐であった。また血管拡張に関しても腎臓を中心に検討した結果、12ヶ月および24ヶ月齢において明らかな病変は認めなかった。 臨床的解析においては、多施設共同研究によりADPKDを原疾患として透析導入された27例の脳・心血管病変について後方視的に調査を行った。平均年齢64.0歳(39-84歳)、透析導入時年齢50.6歳(29-74歳)であった。脳動脈瘤、脳梗塞(無症候性含む)は、それぞれ40.7%、55.6%で認めた。また僧帽弁閉鎖不全症、虚血性心疾患、心房粗細動、心不全はそれぞれ、66.7%、29.6%、14.8%、29.6%で認められた。メタ解析の結果、ADPKD患者の脳動脈瘤合併率は6.9%と報告されている。しかし本研究ではより高率に脳動脈瘤の合併を認めており、透析導入後も定期的なMRIでの評価が必要と考えられた。また保存期ADPKD患者におけるトルバプタン(TLV)投与例についても臨床的解析を行った。TLVはCKD stage G4の患者においてもstage G2-G3bの患者と同等の嚢胞増大抑制効果を認めた。TLVは血管系には直接作用を有しないが、透析導入時期を遅らせることにより、血圧等の血管系への間接的な効果が期待できる。今後、TLV投与例での脳・心血管系病変の進展抑制効果について検討したい。
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Research Products
(1 results)