2015 Fiscal Year Annual Research Report
血管拡張因子(EETs)を介したミッドカイン(MK)の新規CKD進展機序の解明
Project/Area Number |
26461221
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
佐藤 和一 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (90508920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 清一 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (70190410)
小杉 智規 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90584681)
林 宏樹 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (10378086)
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Project Period (FY) |
2014 – 2015
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Keywords | 高血圧 / 慢性腎臓病 / ミッドカイン / 内皮細胞障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究において腎血行動態の評価方法の確立は必須である。今回、我々は多光子共焦点レーザー顕微鏡AIR MP (Nikon)を用いてperitubular capillaryや糸球体輸入・輸出細動脈における腎血行動態の測定・評価をリアルタイムに安定して施行しえた。 本年度、我々は片腎摘後に血管保護作用を有するNOの血管内皮細胞における合成阻害を呈するL-NAMEを投与し、腎微小血管内皮障害を呈する高血圧・腎障害モデルマウスを作成した。野生型(WT)マウスではMK遺伝子欠損(KO)マウスに比して高血圧や腎機能障害を有意に示した。同様の結果を5/6腎摘マウスでも示しており、微小血管障害に伴う腎障害では、ミッドカイン(MK)は高血圧を伴い強く関与する可能性を示唆した。STZ誘発性糖尿病モデルでは腎機能障害はWTにて有意に示すが、高血圧については両群間に差を認めなかった。そのため、L-NAME投与による内皮障害モデルを用い、実験を遂行した。分子生物学的な解析からMKは血管拡張因子の一つであるEETsを抑制する事によって高血圧に伴う腎機能障害を呈する知見をえた。KOではそれ故に同モデルで高血圧を示さなかった。更に、腎高血圧に強い関与を示すRenin-Angiotensin系の関与は本研究では認めなかった。なお、上記の血圧測定はテレメトリーシステムを用いて行われた。 上記の知見より、L-NAME誘発性内皮障害モデルマウスにEETsのAntagonistを投与し、多光子共焦点レーザー顕微鏡を用いて腎血行動態を検証した。その結果、元来よりMKによってEETsが抑制されているWTでは血管容積や流量は投与後の変化を認めないが、KOではEETsが阻害剤により50%程度抑制された。 本研究はMK-EETs経路の腎血行動態への関与、高血圧症を呈する腎機能障害の病態解明に寄与すると考える。
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Research Products
(2 results)