2014 Fiscal Year Research-status Report
エクソソーム内microRNAを活用した次世代腎臓病バイオマーカーと治療法の開発
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26461231
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
堀野 太郎 高知大学, 教育研究部医療学系, 講師 (90448382)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | microRNA / IgA腎症 / ループス腎炎 / バイオマーカー / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、腎疾患における腎病理変化を推測するための診断ツールとして近年注目をあつめているmicroRNAやエクソソームを利用可能とすること、さらには新規治療薬のターゲットの探求を目的としている。本年度の実施計画では、対象疾患となるIgA腎症、全身性エリテマトーデス(ループス腎炎)の患者検体の収集と検体からのmicroRNAやエクソソーム内microRNAの抽出、モデル動物での検討を加えて診断に利用が期待されるmicroRNAの特定を行い腎病理変化との比較を行った。検討の結果、多数の有望なターゲットmicroRNAを特定できた。microRNA 26aなどの一部のものについては、すでに報告を行っているがIgA腎症、ループス腎炎やループス腎炎モデルマウスにおいて有意に異常値を示していた。新規診断バイオマーカーとして非常に可能性があり、さらに病理変化との相関を解析中である。 これまで報告のあるmicroRNA抽出方法は、本来存在すべきmicroRNAを量的に正確に検出できておらず十分に回収できていないことを我々は過去に報告している。不完全な方法で回収された不十分な総microRNAの中からの比較検討は必ずしも正確な比率を表しているとは限らず、これまでの過去の報告にあるデータの信憑性については報告者自らmicroRNA抽出方法の不正確さに伴う限界を指摘してきている。これまでに報告しているように、我々の方法は従来の方法と比較にならない高いmicroRNA回収率を得る抽出法であり、本研究で得られたmicroRNAのデータの腎疾患への関連性に対する信憑性は疑いのないものである。さらに複数のターゲットmicroRNAの成績を組み合わせていくことで侵襲性が少なく、かつ診断精度の高い診断ツールとなることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画していた対象患者の検体回収は終了し、目的のエクソソームやmicroRNAの解析も進行している。成果の一部は、学会等にて報告を行っている。予定した対象患者範囲をさらに拡大して検討をさらに一般化する方向で研究継続中である。また、当初予定した対象疾患以外の腎疾患についても検討を準備開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の検討で明らかとなったターゲットmicroRNAの病態・病理変化に対する影響・機序について実際の病理検体との比較やモデルマウスによる検討をさらに行う。本研究で得られた結果が診断マーカーとして有効性であるかに関して、新規の患者群で再度検討する。
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Causes of Carryover |
予定の実験回数を下回ったため、資材購入量が予定を下回ったことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度の検討の再検、内容の発展をするための検討、および、次年度に予定されている検討に使用する。
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