2014 Fiscal Year Research-status Report
繊毛/繊毛蛋白異常による中心体/細胞周期同調機構破綻と嚢胞性腎疾患発生機序解明
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26461235
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
横山 尚彦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70191525)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 繊毛 / 腎臓 / Fucci / inv |
Outline of Annual Research Achievements |
嚢胞性腎疾患は尿細管の一部もしくは全体が拡張する病態である。遺伝的嚢胞性腎疾患として、常染色体優性および劣性多発性嚢胞腎(ADPKDおよびARPKD)、若年性ネフロン癆(NPHP)などがある。近年、これらの原因遺伝子が次々とクローニングされ、それらの遺伝子産物が繊毛に局在することが明らかとなった。また、ift88の欠失などで繊毛形成が障害される変異体においても嚢胞性腎疾患が発生することが明らかとなった。 嚢胞性腎疾患の共通に観察される病態の一つに、細胞増殖亢進がある。細胞増殖を押されえる薬剤投与により嚢胞進展を抑制することや、逆に、c-mycやAPCを腎臓で過剰発現させることで腎臓嚢胞が発生することが知られている。したがって、細胞増殖亢進が嚢胞進展を進めていることが考えられている。 本研究では、嚢胞性腎疾患マウスとしてinvマウスを用い、fucciマウスと掛け合わせをすることで、inv遺伝子の細胞周期に対する影響を検討した。 Fucci mouseは、GemininとCdt1遺伝子をそれぞれ待ち、S-M期ではGemininが発現し、G0-G1期ではCdt1が発現している。まず、コントロール(野生型もしくはinv/+)マウスの生後1、4、9、15日のマウスの腎臓におけるFucci発現を検討した。PCRにてgenotypinを確認し、各日齢各3匹を調べた。50~150本の尿細管断面の細胞数、および、それぞれのfucciの発現を検討した。コントロール群では、Geminin 陽性細胞は。生後4日までは認められたが、9日目にはほとんど認められなくなっていた。Inv変異体においては、Geminin陽性細胞は生後9日目を過ぎても存在した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コントロールおよびinvマウスの腎臓における細胞増殖の変化、および比較により、Fucciマウスを用いた系により、BrdUの実験結果とほぼ一致することが確認された。 さらに、細胞周期のどの部位に異常があるかを検討可能な状態になってきている。
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Strategy for Future Research Activity |
fucciマウスを用いて、嚢胞腎における細胞増殖更新が確認されたが、この細胞増殖亢進と尿細管形成における細胞移動がどのように関連しているかを知るため、eduで増殖細胞をラベルしたのちに、経時的にラベルされた細胞の移動を検討する。 細胞増殖異常がなによって生じているかを知るために、DNA damage response signalingの異常があるかについて検討する。
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Causes of Carryover |
物品費としてほぼ必要なものは購入しているが、年度末に納品されそうになかったものを次年度に回しているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度早々に必要な物品を購入予定
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