2016 Fiscal Year Annual Research Report
Podocyte-specific deletion of Rac1 leads to aggravation of renal injury in STZ-induced diabetic mice
Project/Area Number |
26461239
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
合田 朋仁 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20365604)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Rac1 / flox/flox / podocin-Cre / streptozotocin / diabetic nephropachy / podocyte / foot process effacement / apoptosis |
Outline of Annual Research Achievements |
Rac1は低分子量G蛋白質であり、主に細胞骨格の構築、細胞移動・成長の制御に関わることが報告されている。しかし、ポドサイト特異的Rac1欠損(Rac1 KO)マウスの腎障害については悪化あるいは改善と一致した見解は得られていない。今回、ストレプトゾトシン(STZ)で1型糖尿病を誘発させたRac1 KOマウスでは、腎症の進展にどのような影響を及ぼすかについて検討した。まず、野生型(WT)、Rac1 KOマウスを各々STZ投与群(DM/WT群、DM/KO群)と非投与群(WT群、KO群)の4群に分け、STZ投与前(8週齢)から4週毎に表現系を測定した。16週齢時の腎組織を用い腎障害の程度を比較検討した。 体重、血糖、HbA1cは、WT群とKO群あるいはDM/WT群、DM/KO群に有意な差はみられなかった。アルブミン尿は、いずれの週齢においてもKO群ではWT群と比較して有意に増加しており、糖尿病を誘発させた場合、その差はより顕著になった。電子顕微鏡による腎組織所見は、糖尿病の有無にかかわらず、KO群ではWT群と比較して、足突起消失の割合が高い傾向が認められた。免疫蛍光染色を用いて評価したスリット膜蛋白であるネフリンの発現は、糖尿病を誘発させるとその発現が低下し、DM/KO群ではDM/WT群と比較してさらに低下した。また、WT群に糖尿病を誘発してもWT1陽性細胞数は変化しなかったが、DM/KO群では、その他の群と比較して有意にその減少が認められた。一方、糸球体内におけるCleaved Caspase-3陽性細胞やTUNEL陽性細胞数に関しては、DM/KO群ではDM/WT群と比較して増加していた。 以上より、1型糖尿病マウスにおいて、ポドサイトにおけるRac1欠損は、ポドサイトの形態変化をもたらし、高血糖刺激によるアポトーシスの誘発が腎症の進展に関わっている可能性が示された。
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