2016 Fiscal Year Annual Research Report
A novel strategy for managing plasam phosphate; osteocytes network as a molecular target
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26461253
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
辰巳 佐和子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 助教 (80420545)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 骨細胞 / リン代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年CKDを伴う全身性ミネラル代謝異常(CKD- MBD) において、リン管理を目指した治療戦略は生命予後の改善に必須である。 本研究の目的は『骨細胞ネットワークを分子標的としたリン管理』という新たな概念に基づく治療に貢献する分子基盤を見出すことである。 我々は平成27年度までの研究より骨細胞欠損マウスにおいて、リンセンシング機構の破綻が、腎老化、異所性石灰化を誘発させる可能性示した。 そこで、本年度は研究計画に従い、骨細胞が欠損しているマウスでは、食餌性の高リン負荷食、および低リン食に対して応答せず尿中リン排泄に変化がみとめられない原因を検討した。骨細胞欠損マウスでは、腎臓によるリン再吸収を担うナトリウム依存性リン酸トランスポーター (NaPi-IIa, NaPi-IIc)、腸管リン吸収を担うNaPi-IIb発現応答が野生型と異なり認められないことが分かった。このような、NaPi-IIa NaPi-IIb, NaPi-IIcの発現異常に加え.骨細胞欠損マウスでは、NAD代謝異常が認められた。NAD代謝はこれまでの我々の研究より、生体内リン代謝制御に関わることから、リンセンシング障害誘導因子となった可能性が高い。そこで、NAD合成酵素であるNampt欠損マウスにおいて食餌性リン応答を検討したところ、食餌性リン応答が野生型に比して低下していることを見出した。以上の研究成果より、骨細胞ネットワークの破綻は、NAD代謝異常を介して食餌性リン応答障害を示すことが明らかとなった。 腎機能の低下は骨代謝異常を示すことが広く認識されている。 しかしながら、今回の我々の研究成果は、老化による骨細胞数の減少が 腎臓、腸管のNAD代謝異常を引き起こし、リン代謝異常を誘導することで腎臓機能を低下させることを提示するものである。 骨細胞ネットワークの正常化は慢性腎臓病予防につながると考えられる。
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[Presentation] リン代謝動態の概日リズム形成機序解明.2016
Author(s)
高濱和子,辰巳佐和子,宮川淳美,藤井理,新垣友啓,緒方雅央,木下瑛美,金子一郎,瀬川博子,宮本賢一.
Organizer
第49回日本栄養・食糧学会 中国・四国支部大会.
Place of Presentation
徳島大学(徳島県徳島市)
Year and Date
2016-11-12 – 2016-11-13
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[Presentation] 骨と健康寿命の検討について.2016
Author(s)
辰巳佐和子,藤井理,宮川淳美,宮本賢一.
Organizer
第63回日本栄養改善学会.
Place of Presentation
リンクステーションホール青森(青森県青森市)
Year and Date
2016-09-06 – 2016-09-08
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[Presentation] 形態の異なるリン化合物接種に対する生体への影響.2016
Author(s)
川端優佳,瀬川博子,結城志帆子,中山彰吾,藤井公,生田かよ,花崎愛,野津圭二郎, 西口詩織,金子一郎,辰巳佐和子,宮本賢一.
Organizer
第70回日本栄養・食糧学会大会.
Place of Presentation
神戸ポートピアアホテル(兵庫県神戸市)
Year and Date
2016-05-13 – 2016-05-15
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