2014 Fiscal Year Research-status Report
脳内酸化ストレス応答における腎交感神経系と尿細管L-FABPの影響
Project/Area Number |
26461261
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
金口 泰彦 順天堂大学, 医学部, 助教 (30569728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富野 康日己 順天堂大学, 医学部, 教授 (60130077)
鈴木 祐介 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70372935)
菅谷 健 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (40381561)
小林 敬 順天堂大学, 医学部, 助教 (70459056)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / 腎交感神経 / L-FABP |
Outline of Annual Research Achievements |
研究開始にあたり腎交感神経アブレーション手技習得のため、香川大学薬理学教室にて指導を受けた。腎交感神経アブレーションの成否を確認するために腎組織ノルエピネフリン測定を行い、手技習得の確認を行った。 その後腎交感神経アブレーションによる侵襲を確認した。酸化ストレスマーカーである尿中8-OHdGが術後1週間で処置前レベルまで回復すること、術後2週間で体重と血圧が回復することや、脈拍が術後3週間で回復することを確認した。このため腎交感神経術後1か月後に中大脳動脈虚血再灌流処置を加える計画とした。術後1か月後に腎組織ノルエピネフリン測定を行ったが、腎交感神経はやはり再生されておらず、完全に除去されていることを確認した。 予備実験の結果、野生型マウスに①腎交感神経アブレーション施行、②腹部切開・閉創のみ(sham ope)を、L-FABP Tgマウスに③腎交感神経アブレーション施行、④sham opeを行う計4群を設定し、1か月後に全ての群に中大脳動脈虚血再灌流処置を加える実験を計画した。 本実験を開始し現在①・②・③群を施行し、各段階で血液・尿を採取し、中大脳動脈虚血再灌流24時間後にサクリファイスを行って腎・脳組織を採取、解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
中大脳動脈虚血再灌流による脳梗塞作成の成功率を高めることに時間を要している。とくに作成された脳梗塞巣の大きさを一定化することが非常に困難であり、外部施設とも協力の上でモデル作成の確立を目指している段階である。そのため本実験の目標症例数の到達に時間がかかっている。 なお、その他の腎交感神経アブレーションなどの手技については高い成功率を維持しており順調に経過している。
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Strategy for Future Research Activity |
①WTマウス:腎交感神経アブレーション施行群・②WTマウス:腹部切開・閉創のみ(sham ope)群・③L-FABP Tgマウス:腎交感神経アブレーション施行群での症例数を蓄積していく。さらに④L-FABP Tgマウス:sham ope群におていも一連の実験・検体収集を行っていく予定である。 その後各群での血圧・脈拍などの心血行動態の評価、尿中・血中酸化ストレスマーカー(L-FABP,尿中ノルエピネフリン,HNE,8-OHdG,GSSGなど)を測定し、経時的変化も含めて評価していく方針である。 最終的には虚血時間や評価時間のバリエーションを増やし、より詳細な病態解析を行う。
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Causes of Carryover |
中大脳動脈虚血再灌流モデルの安定作成に時間を要し、設定した群の全例の実験処置を行えなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に設定した全ての群での実験処置を行った上で、解析を開始する。
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