2015 Fiscal Year Research-status Report
食品や化粧品に含まれる蛋白による脳βアミロイドーシスの促進に関する研究
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26461267
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
濱口 毅 金沢大学, 大学病院, 講師 (70452109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 賢二郎 昭和大学, 医学部, 教授 (70377381) [Withdrawn]
山田 正仁 金沢大学, 医学系, 教授 (80191336)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / 化粧品 / 食物 / アミロイド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、試験管内でアミロイドbの線維化を促進することを確認している、カゼイン、フィブロイン、セリシン、アクチンなどのペプチドが、生体内でもアミロイドbの線維化を促進するかを検討することを目的としている。本研究で使用するアルツハイマー病モデル遺伝子改変マウスは、アミロイドbの脳への沈着が13-15ヶ月で始まり、ペプチド線維投与後、比較的長期間観察が可能なモデルマウスである。 今年度は、カゼイン、フィブロイン、セリシン、アクチンの試験管内での線維形成を行い、そのチオフラビンT蛍光値の測定および電子顕微鏡での線維の確認を行った。マウスへの注入を考えて、以前に行った濃度より更に高濃度で線維化を試したため、きちんと線維化した状態を確認することに時間がかかったが、特にカゼインについてはチオフラビン蛍光値は順調に上昇し、電子顕微鏡でもきれいな線維の確認が行えた。作成したカゼイン線維について、超音波破砕を行った上でアルツハイマー病モデルマウス脳内への接種を行った。今後は接種を行ったマウスについて、接種1年後を目処に脳へのアミロイドbの沈着について評価を行う予定である。また、アクチンの試験管内での線維化についても、現在順調に進むようになっており、今後、アルツハイマー病モデルマウスの脳への接種実験を行う予定である。また、これらのペプチドの線維の腹腔内投与についても、随時行う予定としている。 来年度は、脳内へ接種したアルツハイマー病モデルマウスの脳へのアミロイドb沈着について評価する予定であり、マウス脳の免疫染色やマウス脳の生化学的な検討(ELISAやWestern blot)などの準備も同時に進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ペプチドの線維化や線維化したペプチドのマウス脳への接種は順調に行えており、概ね順調に進捗していると考えている。来年度は、引き続きペプチドの線維化や線維化したペプチドのマウス脳への接種を継続し、更に接種後1年経過したマウス脳の解析も開始する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ペプチドの線維化や線維化したペプチドのマウス脳への接種を継続し、更に接種後1年経過したマウス脳の解析も開始する予定である。また、腹腔内投与についても開始する予定である。それらの結果を見ながら、経口摂取など、他のルートからのマウスへの投与についても考えていく予定である。
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Causes of Carryover |
国際学会への出席を予定していたが、もう少し結果を揃えてから成果を報告しようと考え、平成27年度の学会参加を取りやめにしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は、本研究で得られた成果も含めた報告を国際学会で行う予定で、その旅費に使用する計画である。
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