2014 Fiscal Year Research-status Report
NFκB を分子標的としたL-ドーパ誘発性ジスキネジアの治療法開発
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26461272
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森垣 龍馬 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 特任助教 (70710565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 恵 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 特任教授 (50240916)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 線条体機能分画 / ドパミン / パーキンソン病 / ジスキネジア |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス脳線条体の神経細胞おいて、ドパミン刺激(アポモルフィン刺激)によりNFκB P65サブユニットが活性化されることを免疫組織学的に確認した。この活性化にはドパミンD1受容体刺激が必須であった。脳線条体には、ストリオゾームーマトリックスという二つの機能分画と、腹側ー背側線条体という2種類の機能分画が存在し、前者は本研究課題のパーキンソン病ジスキネジアで異常が指摘されており、後者は報酬システムで異なった働きがあることが知られている。さまざまなドパミン受容体(ドパミンD1受容体、D2受容体、D1-D2ヘテロダイマー受容体)刺激薬による異なるドパミン受容体刺激によって、これら機能的に異なる部位で、異なった活性化が認められた。このことは、NFκBが炎症反応等ではなく、脳線条体ではドパミン刺激に反応し、機能的に働く分子であることを示していると考えられた。 アポモルフィン刺激によるNFκB P65サブユニットの活性化はそのDNAへの結合を約2倍ほど上昇させた。現在、ドパミン刺激による、NFκB P65サブユニット セリン276残基のリン酸化酵素を同定する作業を行っており、また偽基質、フマル酸ジメチルを用いた活性化の抑制実験を施行中である。さらにパーキンソン病モデルマウス、およびl-dopa誘導性ジスキネジアモデルを作成した。これらのモデルマウス脳線条体におけるNFκB P65サブユニットの活性化様式を免疫組織学的に検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NFκB P65サブユニットセリン276残基リン酸化酵素の同定に若干時間を要しているが、他の実験に関しては、順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究実施計画に従って、NFκB P65サブユニットのパーキンソン病のL-ドーパ誘発性ジスキネジアマウスモデルでの働きを解明し、この分子の活性化を抑制することで疾患の治療が可能かどうか解析する。
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Research Products
(5 results)