2015 Fiscal Year Research-status Report
自己抗体を介する炎症性筋疾患の臨床像・筋病理の解析と病態機序の解明
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26461298
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鈴木 重明 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50276242)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 自己抗体 / 壊死性ミオパチー / SRP / HMGCR |
Outline of Annual Research Achievements |
自己抗体と臨床像、筋病理の関連を明らかにすることで炎症性筋疾患の統合的診断を行い、自己抗体測定の意義を明らかにした。全国から送付された生検筋と血清をもとに、国立精神・神経センター (NCNP)では筋病理診断を、我々はRNA免疫沈降法により自己抗体測定を行った。 抗signal recognition particle (SRP)抗体が従来考えられていたより、高頻度であることが明らかになった。抗SRP抗体陽性例、発症年齢が若く、筋症状は重篤で筋萎縮を伴う傾向にあった。 また3-hydroxy-3-methylglutary-coenzyme A reductase (HMGCR) に対する自己抗体をenzyme-linked immunosorbent assay (ELISA) を樹立した。いずれも壊死性ミオパチーに関連した重要な血清学的な指標であり、臨床での幅広い応用が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
患者登録数が800例をこえる炎症性筋疾患の総合的診断プロジェクトは2016年3月で終了した。今後はさらにデータ解析を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
RNA免疫沈降法では検出できない自己抗体についても更なる検討をすすめる。膠原病内科や皮膚科領域から炎症性筋疾患の新規自己抗体の発見が相次いでいる。しかし、筋疾患を中心に診療にあたる神経内科領域において、これら新規自己抗体の測定意義についてはまだ検討されていない。またこれらの新規自己抗体の多くはRNA免疫沈降法で検出できないため、別の測定系が必要である。培養細胞をS-35で標識した抗原に用いる蛋白免疫沈降法を駆使することでこれら新規自己抗体の同定が可能である。 蛋白免疫沈降法は研究代表者がMGの自己抗体を測定する上で実施している方法である。ただし特異的な抗原を用いたELISAの方が簡便であり、また抗体価の測定も可能である。
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Causes of Carryover |
抗体測定が順調に進み、想定していよりも少ない測定回数で有意な結果が得られたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
プラスチック器具などの消耗品に使用する予定。
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Remarks |
我々の研究と臨床に関する最新情報を患者さんや研究者に提供する目的
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