2014 Fiscal Year Research-status Report
軸索ジストロフィーモデルマウスを用いた神経軸索障害の成因に関する研究
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26461322
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
芳川 浩男 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90273680)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 軸索ジストロフィー / 質量顕微鏡 / 軸索輸送 / ユビキチン・プロテオソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
軸索ジストロフィーの成因を調べる為、胎生期14日前後のマウスより後根神経節(Dorsal root ganglion:DRG)を取り出し培養を行い、いくつかの条件の元で検証を行った。 【control及びgad mouseの比較】control及びジストロフィーを引き起こすgad mouseにおいてDRGを10日及び30日培養を行い、伸長した軸索の形態を顕微鏡により観察したが、両者に顕著な差は見られなかった。 【軸索流阻害剤を用いた軸索ジストロフィーの再現】control mouseのDRG培養細胞に対し、軸索の順行性又は逆行性輸送に関連するKIF5及びDynein抗体を投与し顕微鏡で観察したが、投与群及び非投与群で差は見られなかった。 【培養細胞の質量分析】control mouseのDRGを10日培養した組織をそのまま洗浄、乾燥及びマトリックスを噴霧し、質量分析装置で観察した。質量のピークは低めであったが脂質と思われるピークは確認されたため、質量分析を用いた解析が可能であることを確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に計画した生体マウスを用いた免疫染色等の実験は繁殖等の問題により実験に必要な量の病態マウスを手に入れることができず持ち越すことになったが、DRG培養方法の向上化により、安定性が上がり長期培養が可能となり、当初の予定より精度の高い実験を行うことができた。 その為、次年度以降に予定していた培養細胞に対する軸索流阻害剤の投与と質量分析による解析の一部を先行して行った。
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Strategy for Future Research Activity |
病態マウスのDRGを用いた培養でcontrolとの差が見られなかったため、DRG単独培養では軸索ジストロフィーを再現できない可能性がある。その為、より生体に近い状況(ミエリン形成、他神経細胞との共培養等)を作ることで変化が見られるかを検討する必要がある。 また並行して未使用の軸索輸送に関連した阻害剤を用い、controlでもジストロフィー様病理像が見られるかを検討する。 さらに初年度に予定していた生体マウスへのアプローチも必要なマウスが確保でき次第行うこととする。
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