2015 Fiscal Year Research-status Report
軸索ジストロフィーモデルマウスを用いた神経軸索障害の成因に関する研究
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26461322
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
芳川 浩男 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90273680)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 軸索ジストロフィー / 質量顕微鏡 / 軸索輸送 / ユビキチン・プロテオソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
DRG培養においていくつか安定性に問題が生じた為、解決の為の検証と、昨年度に引き続き軸索流に関する実験を行った。 【質量分析用マトリックスの選定】DRG培養細胞は検体の存在質量が通常の組織切片より少ないことから、より脂質を検出しやすいマトリックス(DHB:2,5-Dihydroxybenzoic acid、THAP:2,4,6-Trihydroxy-acetophenone)の2種類から検証し、THAPで判別しやすい結果が得られた。 【ITOスライドガラスの培養細胞接着】質量分析に用いるITOコーティングスライドガラスでDRG細胞の非接着が目立ったため、一般に用いられる接着コーティング素材(フィブロネクチン、コラーゲン、ゼラチン、poly-L-lysine)の4種類を検証した。いずれの場合も接着率が50%以下であり、それぞれに有意な差は見られなかった。 【軸索流阻害剤の使用】昨年度の免疫的な阻害剤の代わりに化学物質(コルヒチン、パクリタキセル)を用いてDRG培養細胞に使用した。検証の結果1nmol以上の濃度ではDRG細胞が段階的に死滅したため、それ以下の濃度を用いて生存したDRGのみをcontrol群と比較を行ったところ形態的な差は見られなかった。 【共培養】軸索障害の別のアプローチとしてDRGと別の神経細胞(Neuro2a及び新生児海馬)と共培養を行い、pre及びpostシナプスの代謝障害によるジストロフィーの検証を行ったが、培養方法の違いもあり検証には至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験の根幹であるDRG培養の安定性に問題が生じた為、それを解決するための基礎実験に時間を必要とした。根本的な解決には至らなかったが、いくつかの安定したDRG培養群を用いて軸索阻害関連の実験を行うことはできた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年および今年度に行った軸索流の免疫及び化学的阻害剤の投与による変化は見られなかったことから、DRG培養単独での変化は難しい結果となった。今後はgad mouseのcontrolとhomoのDRG培養細胞で質量分析を用いた脂質の検証、引き続き共培養の検証、生体の延髄薄束核におけるシナプス小胞関連物質の検証を行い、軸索ジストロフィーの成因を探る。
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Causes of Carryover |
旅費として300,000円の予算を考えていたが、次年度の学会発表にて使用する予定のため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の学会発表にて使用。
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