2014 Fiscal Year Research-status Report
APP修飾認知症モデル動物における脳内インスリン作用と認知機能障害機序の解析
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26461341
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
河島 淳司 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 助教 (70467984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 栄一 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (10253733)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 認知機能障害 / インスリン抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
インスリン抵抗性モデルマウスであるIRS1ノックアウトマウス(以下IRS1 KOマウス)と、アルツハイマー病モデルマウスであるAPP23トランスジェニックマウス(以下APP23Tgマウス)及びヒト変異APPノックインマウス(以下APP NL/F KIマウス)をそれぞれ掛け合わせ、APP23Tg・IRS1 KOマウスとAPP NL/F KI・IRS1 KOマウスを作成した。 APP23Tg・IRS1 KOマウスにおいて、APP23Tg(+)・IRS1 Wild type(WT)マウスはAPP23Tg(-)・IRS1 WTマウスと比べ体重増加が緩やかであったが、APP23Tg(+)・IRS1 hetero KOマウスではAPP23Tg(-)・IRS1 hetero KOマウスと体重に差がなかった。APP23Tg(+)・IRS1 homo KOマウスとAPP23Tg(-)・IRS1 homo KOマウスも体重に差はなかった。随時血糖はいずれのマウス群でも差が認められなかった。 これらのマウスにY字迷路試験を行い、6ヶ月齢での認知機能を評価した。Y字迷路試験は自発的交替行動を5分間観察し、自発的交替行動率(Percent alternation)を算出したが、いずれのマウスでも65~70%程度であり、それぞれのマウス群で差を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、アルツハイマー病モデルマウスであるAPP23Tgマウス及びAPP NL/F KIマウスの耐糖能や脳内のインスリンシグナルについて検討する予定であったが、インスリン抵抗性が認知機能に与える影響について評価することを優先課題としたため、まずはAPP23Tg・IRS1 KOマウスとAPP NL/F KI・IRS1 KOマウスの作成を開始した。 平成27年度に行う予定であった認知機能の評価を平成26年度から開始したことで、平成26年度に行う予定であったアルツハイマー病モデルマウスの耐糖能評価ができなかった。 平成27年度以降に行う予定であった認知機能評価を平成26年度から開始しており、総合的な進捗状況としては遅滞なく、達成度としては問題ないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
認知機能評価方法として当初予定していたMorris水迷路試験や受動的回避学習課題といった方法はマウスにとって過度なストレスになると考え、今回はY字迷路試験を用いて認知機能検査を行った。しかしながら、6ヶ月齢のマウスにおける認知機能に明らかな差を認めなかった。今後はMorris水迷路試験などを用いて認知機能を評価する予定であり、さらに12ヶ月齢、18ヶ月齢のマウスについて認知機能を評価する。 耐糖能の評価についても随時血糖だけでなく、空腹時血糖ならびに空腹時血中インスリン濃度測定、さらには腹腔内ブドウ糖投与試験(ipGTT)を行い、それぞれのマウスにおける糖代謝異常の有無を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
平成26年度に行う予定であった腹腔内ブドウ糖投与試験やインスリン濃度測定を行わなかったため、8万円ほどの残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に腹腔内ブドウ糖投与試験やインスリン濃度測定などを行う予定であり、その際に必要なマウスインスリン測定キットなどを購入予定である。
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