2017 Fiscal Year Research-status Report
膵島の自己組織化ならびに保護機構における神経堤由来シュワン細胞の役割
Project/Area Number |
26461346
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
佐々木 敬 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90205849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 啓 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (40372974)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 膵島三次元構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体の膵内分泌の構造単位である膵島においては、β細胞が単独で存在するのではなく他の内分泌細胞、間質の細胞、さらには神経堤由来のシュワン細胞などに三次元的に取り囲まれた構造を持ち、インスリン分泌に関してもこれらの細胞との間での作用により複雑な調節がなされていると考えられる。前年度までの検討において、インスリン分泌にはこれらの脂肪におけるGap junctionが膵島内の細胞間情報伝達に重要な役割を担っている可能性が示唆された。本年度は新たな三次元・低重力下培養装置を用いてGSISならびに形態学的な観察を行うことも、これを確認した。 次に、この現象の分子基盤を明確にするため、Gap junctionを構成するConnexin36遺伝子のゲノム編集技術によるノックアウトクローンの作製を行った。しかしこの過程でSchwann細胞由来の培養細胞がこの遺伝子産物がない状況では増殖が非常に遅く、実験が困難に直面している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
生体の膵内分泌の構造単位である膵島の三次元構造をin vitroで再現し、これがインスリン分泌(GSIS)にどのように影響するかを検討する計画であった。β細胞株Min6細胞とマウスastrocyte/Schwann由来の培養細胞であるIMS32細胞をマトリゲル基底膜マトリックスを用いて三次元培養したところ、Min6単独に比べてこの共培養によりGSISにおけるインスリン分泌量が3倍に増加した。 さらに三次元培養に基づく形態的変化を観察を培養状態のまま観察の可能なデジタル顕微鏡を用いて行った。本年度における三次元培養は微小重力環境下に培養の可能な細胞培養装置ZEROMO(北川鉄工所)をCO2 incubator内に設置して行った。予備的な実験として、0.5×105/mlのIMS32細胞を12wellプレートへ4ml/wellでseedした。培養した細胞を観察したところ、平常の1Gでの培養に比べGを下げた低重力培養条件では細胞が大きくなり、プレートから上部に向かって立体的に増殖していることが観察された。 これまで行ってきた実験結果から、GSISの増加は細胞間の分子、特にGap junctionを構成するConnexin 36 (GJD2)タンパクが関与している可能性が示唆された。そこでGjd2を欠失させたIMS32細胞がWTと同様にMin6細胞のGSISにおけるインスリン分泌量を増大させるかどうか、さらに共培養した際に形態的にどのような変化が観察されるのかについて知るため、CRISPR/Cas9によるゲノム編集技術を用いGjd2遺伝子の欠損したIMS32細胞を作成中である。これまでのところGjd2遺伝子欠損IMS32細胞は培養皿底面への接着能が低下し増殖能が低いため、実験に供与できる細胞クローンを得ることの困難に直面している。今後、細胞の識別をすべくGFPで標識するする計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitroでの三次元培養実験では細胞の識別をすべくGFPで標識するする計画である。本年度の前半においてこれらは終了し、後半にはヒト単離膵島を用いた観察に移行すべく計画している。特にヒト・インスリノーマの遺伝子発現パターンなどを通して、β細胞におけるGSISのdysregulationを明らかにしてゆく計画である。
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Causes of Carryover |
CRISPR/Cas9によるゲノム編集技術を用いGjd2遺伝子の欠損したIMS32細胞を作成中である。しかしGjd2遺伝子欠損IMS32細胞は培養皿底面への接着能が低下し増殖能が低いため、実験に供与できる細胞クローンを得ることの困難に直面し、実験計画の一部が次年度に施行となったため。最終年度の次年度は、in vitro培養実験ではMin6細胞とIMS32細胞の識別をようにするためGFPで標識するなどして、共培養した細胞の蛍光観察する計画である。またヒト単離膵島の遺伝子発現等を解析してインスリン分泌の調節機構にアプローチする予定である。
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Research Products
(14 results)
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[Presentation] 健常者における麦飯と主菜の併用による食後血糖上昇の検討2017
Author(s)
小川篤美, 石崎知子, 細田暁彦, 種村陽子, 篠田良行, 赤石定典, 湯浅 愛, 小沼宗大, 濱 裕宣, 佐々木 敬, 吉田 博
Organizer
第12回日本機能性食品医用学会総会(12月、京都)
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[Presentation] 健常者における麦飯と主菜の併用による食後血糖上昇の検討2017
Author(s)
杉原聡子, 石崎知子, 早乙女 恵, 細田暁彦, 種村陽子, 篠田良行, 小川篤美, 赤石定典, 湯浅 愛, 小沼宗大, 濱 裕宣, 佐々木 敬, 吉田 博
Organizer
第39回日本臨床栄養学会総会(10月、幕張)
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