2015 Fiscal Year Research-status Report
母体の甲状腺機能低下による子の中枢神経系遺伝子のエピゲノム解析
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26461376
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
橋本 貢士 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (30396642)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 甲状腺機能低下症 / DNAメチル化 / BDNF / エピジェネティクス / 高次脳機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠期の軽度の甲状腺機能低下が、児の学習記憶に関わる中枢神経系遺伝子のエピゲノム変化を惹起し、またその変化が長期に記憶されることで将来の児の学習などの高次中枢神経系障害を来たすのではないかという仮説を証明するために、平成26年度は7-8週齢の雌マウスに対して、交配2週間前から出産まで甲状腺ホルモンの合成を阻害する薬剤であるチアマゾール(MMI:0.025%)を経口投与し(M群)、その産仔を対照群(C群)からの産仔と比較検討した。生後14週でopen field test, light-dark box test, elevated plus-maze test, rota-rod test, Morris’s water-maze testおよびfear-conditioning testを行い、M群の産仔でC群と比較して有意な不安行動の減少および活動性の増加を確認した。また生後4週での大脳におけるbrain-derived neurotrophin factor (BDNF)およびBDNFの受容体であるtyrosine kinase receptor B(TrkB)遺伝子発現はM群の産仔でC群と比較して有意に低下していた。平成27年度は、神経活動に重要とされるBDNF遺伝子のエクソンIVの遺伝子発現と、プロモーター領域のCpGサイトを対象にバイサルファイトシークエンス法でDNAメチル化の程度を検討した。産仔は生後4週において海馬におけるBDNFエクソンⅣの遺伝子発現がM群において低下し、エクソンⅣのプロモーター領域のDNAメチル化が有意に増加していた(C群vs M群:6.5% vs 9.7%)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
母獣の軽度甲状腺機能低下症のインビボの実験系を確立し、産仔の行動実験も計画通り実施できた。さらにBDNF遺伝子発現異常を甲状腺機能低下症の母獣からの産仔で確認でき、同遺伝子エクソンIVプロモーターのDNAメチル化解析も実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
BDNF遺伝子を含む産仔の海馬における遺伝子の網羅的発現解析およびDNAメチル化解析を行い、甲状腺機能低下症の母獣からの産仔の成獣期における、高次脳機能障害の分子機構を探索する。
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Research Products
(18 results)