2014 Fiscal Year Research-status Report
ヒトiPS細胞を用いた化合物スクリーニングによる副腎皮質分化・再生の分子機構解明
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26461380
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
曽根 正勝 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40437207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田浦 大輔 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10558612)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 内分泌学 / ステロイド / 副腎皮質 / 再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
BACクローンを用いて樹立した中間中胚葉マーカーOsr-1レポーターヒトiPS細胞を用いて、Osr-1陽性細胞を分化誘導後にソーティングし、それらの細胞に転写因子SF-1を強制発現したところ、ステロイド合成酵素であるHSD-3B、CYP11A1、CYP17、CYP21A2、CYP11B1などが陽性のステロイド産生細胞に誘導可能であることを確認した。それらOsr-1陽性細胞から、ステロイド合成酵素の中でも上流に位置しコルチゾール産生に重要な役割を果たすHSD-3B陽性細胞の出現率を免疫染色にてインセルアナライザーで自動検出するハイスループットのケミカルスクリーニング系を確立し、JST山中iPS特別プロジェクトのケミカルライブラリーを用いてステロイド産生細胞誘導に重要な働きを有するケミカルのスクリーニングを開始した。現在のところ3500個のケミカルについてスクリーニングを終え、HSD-3Bの陽性細胞比率と数を上昇させる化合物をいくつかHitしている。現在、それらHit化合物が他のステロイド合成酵素発現やステロイド産生に与える影響の解析を行っている。そのうち1つの化合物は自家蛍光の影響と考えられ除外し、他にも他のステロイド合成酵素の発現が認められない化合物などを除外したが、有望なHit化合物の1つは情報伝達物質の受容体のアゴニストであり、その受容体の他のアゴニストやブロッカーの作用の検討も開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、Osr-1レポーターヒトiPS細胞からOsr-1陽性の中間中胚葉細胞を誘導・ソーティングし、それら細胞がステロイド産生細胞に分化する能力を有することを確認している。また、当初の予定通り、それらOsr-1陽性細胞を用いて、中間中胚葉からステロイド産生細胞への分化において重要な役割を果たすケミカルをスクリーニングする系の確立に成功し、スクリーニングを開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きステロイド産生細胞分化に関わるケミカルのスクリーニングを継続していく。また、Hit化合物についてその作用の解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
Hit化合物の作用の解析などいくつかの実験が翌年に持ち越したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
持ち越し分はHit化合物の効作用の解析に使用する。
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Research Products
(3 results)