2014 Fiscal Year Research-status Report
2型糖尿病関連遺伝子Kcnq1遺伝子領域が膵β細胞に及ぼす影響の解明
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26461382
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
淺原 俊一郎 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00570342)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 膵β細胞不全 / 2型糖尿病感受性遺伝子 / インプリンティング |
Outline of Annual Research Achievements |
代表者はこれまでに、Kcnq1遺伝子のイオンチャネル機能をコードするexonをネオマイシン耐性遺伝子で置換させた全身性Kcnq1欠損マウスを入手し、解析を行ってきた(PNAS 98:2526, 2001)。 その結果、膵β細胞におけるKcnq1の発現量が減少してもインスリン分泌に差を認めないことが明らかとなった。そこでKcnq1ヘテロ欠損マウスをParent of originを明らかにするように、父親から変異を引き継いだ父方ヘテロ欠損マウス(PH)と母親から変異を引き継いだ母方ヘテロ欠損マウス(MH)とに区別して野生型マウス(WT)と比較してみた。すると、1)出生時および24週齢においてPH群のみ有意な膵β細胞量減少が認められた。2)24週齢で耐糖能を測定したところ、PH群のみ有意なインスリン分泌低下と高血糖を示した。3)膵島におけるKcnq1ot1の発現量が、3群間でPH群のみ有意に低下していた。4)Kcnq1遺伝子領域に存在する細胞周期調節因子Cdkn1cの発現量が、PH群の膵島においてのみ有意に亢進していた。4)PH群の膵島におけるCdkn1cプロモーター領域のヒストンメチル化が、他の2群と比して有意に低下していた。 これまでに以上のことを明らかにしている。今後は、膵β細胞特異的Cdkn1cノックアウトマウスと交配させることによって、膵β細胞におけるCdkn1cの役割についてさらに深く検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の仮説を実証すべく実験を重ねているが、実験で得られる結果は期待通りのものである。ただし、本来ヒトの臨床データから始まった実験である以上、ヒトの2型糖尿病の病態に少しでも関連付けたいと考えているが、現時点ではできていない。どのような方法が可能か、今後検討を進めたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記にも示したが、マウスで得られたデータをヒトに応用できるかについて検討を進めたいと考えている。しかしながらヒト膵島を入手するのは困難であることから、例えばKcnq1遺伝子のSNPが存在する2型糖尿病患者の病態を詳細に解析し、我々のKcnq1変異マウスと同様の病態を示すかについて検証したい。また、近年研究に使用されているヒト膵β細胞株を入手し、Kcnq1のSNPの有無による膵β細胞の機能やviabilityについても解析を行う予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Pancreatic β-cell failure mediated by mTORC1 hyperactivity and autophagic impairment.2014
Author(s)
Bartolomé A, Kimura-Koyanagi M, Asahara S, Guillén C, Inoue H, Teruyama K, Shimizu S, Kanno A, García-Aguilar A, Koike M, Uchiyama Y, Benito M, Noda T, Kido Y.
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Journal Title
Diabetes
Volume: 63
Pages: 2996-3008
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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