2015 Fiscal Year Research-status Report
肥満・糖尿病における免疫プロテアソームの役割の解明と治療法の開発
Project/Area Number |
26461386
|
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
木村 博昭 自治医科大学, 医学部, 講師 (70593622)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白砂 孔明 東京農業大学, 農学部, 助教 (20552780) [Withdrawn]
臼井 文武 自治医科大学, 医学部, 助教 (50585560) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 免疫プロテアソーム / 脂肪 / 肥満 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、肥満・糖尿病の病態における免疫プロテアソームという蛋白質分解酵素の役割を解明することを目的としている。 平成27年度は、マウスの免疫プロテアソームのサブユニットの一つであるLMP7の欠損が、高脂肪食による誘導される肥満や高血糖・高脂血症・耐糖能・インスリン抵抗性を改善し、脂肪組織での炎症反応を抑制することを論文(Scientific Reports, 5: 15883)に発表した。また、この内容を平成27年10月の肥満学会や平成28年4月の内分泌学会でも報告した。LMP2の欠損マウスについても同様の実験を行っているが、繁殖上の問題で時間がかかっている。LMP7欠損マウスでの脂肪細胞分化が抑制されることを見出したため、その続きとして、脂肪前駆細胞株3T3-L1細胞の脂肪細胞分化の系とLMP7の選択的阻害剤のONX-0914を利用し、脂肪細胞分化におけるLMP7の役割を解析している。脂肪細胞分化に関わる転写因子群の発現を測定し、LMP7阻害の効果を検討し、いくつかの候補を見出した。そして、LMP7の役割を分子機能的に解析するために、LMP7の高発現もしくは、ノックダウン、さらに変異型LMP7を発現するレンチウイルスを作製し始めた。現在、一部は作製済みである。今後は、これらのウイルスを使用し、より詳細な機構を解析する予定である。 糖尿病病態の慢性炎症への免疫プロテアソームの関与を検討するために、低用量ストレプトゾトシン投与モデルを利用して、その役割について解析を始めたが、このモデルではLMP7欠損により糖尿病が悪化することがわかった。先に記載したレンチウイルスを利用して、LMP7を恒常的に発現しているラ氏島細胞株MIN-6細胞のLMP7をノックダウンしたり、さらには高発現させたりして、インスリン産生能などを検討し、LMP7の役割を解析する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
肥満モデルは論文が出て、さらにその発展の研究の脂肪細胞分化の研究に進めた。糖尿病モデルについて、予想外の結果ではあったが、レンチウイルスの系を利用して、その作用機序を検討し、血糖値制御のシステムの理解に役立てるつもりである。レンチウイルスの作製に少し時間がかかっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
脂肪前駆細胞株3T3-L1、線維芽細胞株NIH-3T3細胞、ラ氏島細胞株MIN-6細胞を利用して、脂肪細胞分化やインスリン産生の機構におけるLMP7の役割を細胞レベルで解析する。以上のように内分泌・代謝における免疫プロテアソームの役割を引き続き解析する予定である。
|
Causes of Carryover |
前回の繰り越し分をそのまま次の繰り越し分に回した。また、ELISAなどの一部の実験を節約して行うために、サンプルをある程度貯めてから一度に測定を行う計画にしたので、その分の費用も繰り越し分に回した。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文投稿費用や試薬・ELISAキット購入に充てる
|
Research Products
(8 results)
-
[Journal Article] Immunoproteasome LMP7 deficiency improves obesity and metabolic disorders.2015
Author(s)
Kimura H, Usui F, Karasawa T, Kawashima A, Shirasuna K, Inoue Y, Komada T, Kobayashi M, Mizushina Y, Kasahara T, Suzuki K, Iwasaki Y, Yada T, Caturegli P, Takahashi M.
-
Journal Title
Sci Rep
Volume: 5
Pages: 15883
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
-
-
[Journal Article] Role of NLRP3 inflammasomes for rhabdomyolysis-induced acute kidney injury.2015
Author(s)
Komada T, Usui F, Kawashima A, Kimura H, Karasawa T, Inoue Y, Kobayashi M, Mizushina Y, Kasahara T, Taniguchi S, Muto S, Nagata D, Takahashi M.
-
Journal Title
Sci Rep
Volume: 5
Pages: 10901
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
[Journal Article] Oligomerized CARD16 promotes caspase-1 assembly and IL-1β processing.2015
Author(s)
Karasawa T, Kawashima A, Usui F, Kimura H, Shirasuna K, Inoue Y, Komada T, Kobayashi M, Mizushina Y, Sagara J, Takahashi M.
-
Journal Title
FEBS Open Bio
Volume: 5
Pages: 348-356
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-