2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of protein regulating brain-specific aromatase gene expression through proteomics
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26461389
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
本田 伸一郎 福岡大学, 薬学部, 教授 (40257639)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ステロイドホルモン / 性分化 / 転写制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス胎仔より間脳部を摘出し、核抽出液を調製した。前年度に行った反応条件の下で、内因性Deaf1タンパク質を認識する抗体を用いて免疫沈降反応を行い、Deaf1と相互作用するタンパク質を含む試料を得た。得られた試料をSDS-PAGEに付し、4つの異なるタンパク質バンドを切り出して、LC-MS/MS解析を行った。解析の結果、4つのバンドの複数にTranscriptional intermediary factor-1β(TIF-1β)のペプチド断片が認められた。TIF-1βは、分子内にRINGフィンガーやブロモドメインなどを有するアミノ酸834個からなる転写因子で、クロマチンリモデリングやヒストン修飾に影響を及ぼすことで染色体機能の調節に関わっていると報告されている。今回のLC-MS/MS解析では、試料の調製過程でタンパク質の部分水解が生じ、SDS-PAGE上で異なる分子量のバンドとして解析したペプチドが、いずれもTIF-1βであったものと考えられる。TIF-1βを用いた免疫沈降反応でもDeaf1タンパク質との共沈殿が認められ、Deaf1とTIF-1βとの相互作用がin vitroでも確認された。このようにDeaf1のアロマターゼ遺伝子を含む様々な遺伝子の転写制御機能にはTIF-1βが関与していると考えられる。また、TIF-1βは現在までにいろいろな機能が報告されており、そのひとつにSUMO化のE3リガーゼとしての機能がある。申請者はすでにDeaf1タンパク質もSUMO化されることを報告しており、Deaf1のSUMO化による機能制御にTIF-1βが関わる可能性も示唆される
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