2014 Fiscal Year Research-status Report
ゲノムワイド関連解析で同定された新規2型糖尿病関連領域の疾患感受性機序の検討
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26461390
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
今村 美菜子 独立行政法人理化学研究所, 統合生命医科学研究センター, 研究員 (00596124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 士郎 独立行政法人理化学研究所, 統合生命医科学研究センター, チームリーダー (50314159)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 2型糖尿病 / 遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)ヒトC2CD4A-C2CD4B領域内の遺伝子多型検索および機能性多型の同定 C2CD4A-C2CD4B領域内で2型糖尿病疾患感受性に直接影響する原因多型を同定するため、まず96名の2型糖尿病患者由来のゲノムを用いて、ヒトC2CD4AおよびC2CD4B全長とその上流10kbp, C2CD4A-C2CD4Bのintergenic region を含む領域(約100kbp)の塩基配列をサンガー法にて解析した。その結果、223の遺伝子多型が認められ、うち53多型はデータベースに登録されていない新規多型であった。これらの遺伝子多型について、2型糖尿病3000名、コントロールn=3426名のゲノムサンプルを用いて遺伝子型タイピングを行い、得られた遺伝子型と2型糖尿病との関連をロジスティックモデルにて解析を行ったところC2CD4A-C2CD4Bのintergenic regionに位置する一塩基多型が最も強い疾患との関連を示した[p値=1.04×10-6, 1リスクアレル辺りのオッズ比(95%信頼区間)=1.13(1.03-1.25)]. 2)培養細胞系におけるC2CD4AおよびC2CD4Bの作用の解明。 糖代謝に重要な組織におけるC2CD4A, C2CD4Bの発現パターンを明らかにするため、マウスMIN6細胞(膵β細胞) 分化誘導後のC2C12細胞(筋管細胞)分化誘導後の3T3-L1細胞(脂肪細胞)、Hepa1-6細胞(肝細胞)におけるC2Cd4a, C2Cd4bのmRNA発現をqPCRにて解析したところ、MIN6細胞におけるC2Cd4a, C2Cd4bの発現は他の3つの細胞に比べいずれも10倍以上の強い発現が確認された。そこで、siRNAを用いてMIN6細胞のC2Cd4a, C2Cd4bそれぞれのノックダウンの条件検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的はゲノムワイドな遺伝学的アプローチにより同定された新規2型糖尿病関連遺伝子領域であるC2CD4A-C2CD4B領域の2型糖尿病発症進展機序を明らかにすることであり、平成26年度の計画は、2型糖尿病患者由来のゲノムを用いて、ヒトC2CD4A-C2CD4B領域のリシークエンスによるより詳細な遺伝子多型検索を行い、機能性多型候補を同定することと同定した機能性多型候補がC2CD4AおよびC2CD4B遺伝子の機能にどのような影響を及ぼすかを主に培養細胞を用いて検討することであった。ヒトC2CD4A-C2CD4B領域のリシークエンスおよび同定した遺伝子多型のケースコントロール解析は計画通りに終了し、機能性多型候補はC2CD4A-C2CD4B遺伝子の間(intergenic region)にある可能性が高いことを明らかにした。また各種培養細胞における遺伝子発現パターンを検討することによりC2CD4A、C2CD4Bいずれも膵β細胞において役割を持つ可能性を示し、現在それぞれの遺伝子のノックダウンが培養膵β細胞の機能に及ぼす影響を解析するための検討が進められている。 以上のことから、現時点ではほぼ計画通りに研究が進行していると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度の検討の結果においてC2CD4AおよびC2CD4B両遺伝子ともに疾患感受性に関与している可能性が考えられたため、C2CD4AおよびC2CD4Bそれぞれの遺伝子の糖代謝に関する役割を検討していく予定である。 現在進行している膵β細胞培養細胞におけるインスリン分泌の検討に加え、C2CD4AおよびC2CD4Bそれぞれのの遺伝子改変動物を作成し、その表現型を解析する予定である。
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[Journal Article] Replication study of the association of rs7578597 in THADA, rs10886471 in GRK5, and rs7403531 in RASGRP1 with susceptibility to type 2 diabetes among a Japanese population2015
Author(s)
Sakai K, Imamura M, Tanaka Y, Iwata M, Hirose H, Kaku K, Maegawa H, Watada H, Tobe K, Kashiwagi A, Kawamori R, Maeda S
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Journal Title
Diabetology International
Volume: なし
DOI
Peer Reviewed
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