2014 Fiscal Year Research-status Report
骨髄微少環境と形質細胞の相互作用に基づいたPOEMS症候群の発症機構の解明
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26461397
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中世古 知昭 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30323398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堺田 恵美子 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60422218)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | POEMS症候群 / 骨髄微小環境 / 網羅的ゲノム解析 / 形質細胞増殖疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、POEMS 症候群患者の骨髄細胞の遺伝子変異を網羅的に解析し、これを正常体細胞の遺伝子配列と比較する事により、POEMS 症候群発症のメカニズムをゲノムレベルで解明することを目的とする。そこで我々はこれまでに本症候群患者骨髄細胞からMACS法を用い、CD138陽性形質細胞,陰性細胞(骨髄間質細胞を含む)をそれぞれ sorting し、CD138 陰性細胞から in vitroにおける骨髄間質細胞培養系を確立した。現在,8名の患者からこれらの試料を作成して DNA を抽出し、まず骨髄形質細胞の網羅的ゲノム遺伝子解析を開始した。その結果、形質細胞にいくつかの遺伝子に変異を認めており、現在それらの遺伝子変異についてさらに詳細に解析を行っている。また同様の方法で得られた形質細胞もしくは骨髄間質細胞からRNAを抽出し、遺伝子発現解析を行う準備を行っている。 また我々は以前本症候群のモノクローナル形質細胞の再構成λ鎖はわずか2種類のgermlineに由来することを見出した。そこで,より詳細に解析するために,次世代シークエンサー(NGS)を用いて免疫グロブリン重鎖,軽鎖を網羅的に解析するとともに,微小残存病変の評価法を確立する方法を現在構築中である。患者骨髄細胞からDNAを抽出し、免疫グロブリンλ鎖のCDR framework領域にプライマーを設定することによりNGSで解析が可能となり、今後診断時、および治療後の検体を用いて解析を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに8例の診断時の患者骨髄細胞から形質細胞を分離し、そのゲノム解析を行うことが出来た。また、次世代シークエンサーを用いたモノクローナルλ鎖の解析の方法もほぼ確立出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに症例数を増やしてゲノム解析を行う。そして同定された遺伝子変異について、当科で保存されている70例のPOEMS症候群患者サンプルを用いてその遺伝子頻度について検討を行う。また、骨髄間質細胞の培養系はすでに確立したが、その細胞を用いて網羅的エクソーム解析を行う。さらに骨髄微小環境の病態への関与の解析するため、患者骨髄細胞を用いて、骨髄微小環境において骨髄間質細胞が産生するサイトカイン、増殖因子を網羅的に解析し、さらにexosome, miRNAを同定して、疾患への関与を解析する。
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[Presentation] The Efficacy and Long-Term Outcomes of ASCT in POEMS Syndrome: A Multicenter Retrospective Study in Japan2014
Author(s)
Chika Kawajiri, Emiko Sakaida, Chikako Ohwada, Toshihiro Miyamoto, Taichi Azuma, Jun Taguchi, Takehiko Mori, Yuichi Hasegawa, Tadakazu Kondo, Toshiaki Yujiri, Makoto Yoshimitsu, Mitsuru Tsudo, Toshihiko Iwasaki, Akio Shigematsu, Ritsuro Suzuki, Yoshiko Atsuta, Makoto Hirokawa, Hisashi Sakamaki, Chiaki Nakaseko.
Organizer
The 56th Annual Meeting of the American Society of Hematology
Place of Presentation
San Francisco
Year and Date
2014-12-05 – 2014-12-09