2014 Fiscal Year Research-status Report
Smad3ノックアウトマウスを用いた骨髄線維症発症機構の解析
Project/Area Number |
26461398
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
武内 正博 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (50466702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中世古 知昭 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30323398)
大和田 千桂子 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (80436352)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 骨髄線維症 |
Outline of Annual Research Achievements |
TEL-Lyn融合遺伝子による骨髄線維症モデルの再構築を行うために、クローニングベクターに載っているTEL-Lyn融合遺伝子を切り出して、レトロウイルスベクターに載せ替えを行った。 これらのレトロウイルスベクターを293gp細胞にPEI(Polyethylenimine)法でトランスフェクションし、レトロウイルスを作成し、良好なウイルス力価が得られる事を確認した。PEI法によるトランスフェクションは、従来行っていたリン酸カルシウム法に比べると効率が良く、一方でリポフェクション試薬と比べるとやや効率は落ちるが、試薬にかかる費用が圧倒的に安いため、以後はPEI法によるトランスフェクションを行う事とした。 Smad3ノックアウトマウスを用いた移植実験を行う上で、回収してきた骨髄細胞においてどのシグナルを解析すべきか、また、阻害薬などを用いた実験が行えないかを予測する事を目的として、まず白血病細胞株においてTGFβの発現に関与する経路の確認を行う事とした。PEI法にて作成したレトロウイルスを用いて各種白血病細胞株にTEL-Lyn融合遺伝子を強制発現させる事に成功した。これらの白血病細胞株において、TGFβの発現をリアルタイムPCR法にて測定したところ、今回測定を行ったU937, K562, Jurkatのいずれにおいても有意なTGFβの発現亢進を認められなかったため、今後は巨核球系の白血病細胞株を含む複数の細胞株を入手して検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
TEL-LYn融合遺伝子を含むレトロウイルスベクターがトラブルにより使用できない状態となったため、クローニングベクターに入ったTEL-Lyn融合遺伝子からレトロウイルスベクターに載せ替えを行った。このような作業工程が必要だったため当初の計画よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終的にSmad3ノックアウトマウスをレシピエントとしてTEL-Lyn融合遺伝子を導入した造血幹細胞移植を行い、そこから骨髄細胞を回収することを目的としているが、TEL-LynからTGFβにつながる経路について白血病細胞株において検討を行う事を優先して実施していく。 骨髄線維症の発症に巨核球や血小板由来のTGFβが重要であることが示されていることから、巨核球系の白血病細胞株を入手して実験を行っていく予定である。
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