2014 Fiscal Year Research-status Report
多発性骨髄腫特異的糖鎖修飾を標的とした新規抗体療法の開発
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26461404
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
保仙 直毅 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10456923)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 多発性骨髄腫 / 抗体療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
以下のようなアプローチで”骨髄腫特異的抗原“の同定を目指した。1)様々な多発性骨髄腫細胞株を抗原としてマウスを免疫したのち、ハイブリドーマを作製し、免疫原である骨髄腫細胞に結合する細胞をスクリーニングすることにより、1万クローン以上の抗骨髄腫抗体産生株を同定した。2)すぐに、各ハイブリドーマ培養上清を用いて、ヒト末梢血単核球への結合をチェックし、ヒト末梢血への結合が見られないものだけをstockすることにより候補の抗体を約500抗体に絞り込み、それらを保存した。3)次に6種の骨髄腫細胞株を染色することにより、多くの骨髄腫細胞株への結合が見られるものに限定することにより約100抗体に候補を絞りこんだ。4)骨髄腫患者由来検体6検体を染色し、骨髄腫細胞特異的な染色を示す抗体を選択することにより、6抗体に候補を絞り込んだ。5)赤血球、血小板に結合する2抗体を除き、3抗体を最終候補とした。さらに、発現クローニング法による結合抗原の同定を行い、3つの抗体に関しては既に抗原を同定した(MMSC2-MMSC4 (仮名))。非常に興味深いことに、これらのタンパクはいずれもタンパク自体は骨髄腫特異性を有さなかった。つまり、新規抗MMSC2/3/4抗体は骨髄腫特異的ではない細胞表面タンパクの上に翻訳後修飾により形成された骨髄腫特異的エピトープを認識していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
既に候補抗体を同定し、薬効の評価へと進んでいる
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Strategy for Future Research Activity |
新規候補2抗体の抗体結合エピトープの性質を可能な限り明らかにする。また、新規抗体のxenograft modelにおける抗骨髄腫効果を検討する。さらには抗体可変部領域をクローニングし、それを用いた新たな免疫療法(キメラ受容体T細胞など)の開発を試みる。
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