2015 Fiscal Year Research-status Report
M2マクロファージを用いた移植後慢性GVHDに対する新規細胞治療法の開発
Project/Area Number |
26461443
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
平山 雅浩 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90293795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 彰太郎 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20456734)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 慢性GVHD / 炎症性単球 / 抗炎症性単球 / 免疫組織染色法 / フローサイトメーター |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性GVHDの新しい治療法の開発のために本研究を行っているが、これまで以下のことを行ってきた。1)慢性GVHDマウスモデルの作成した。準致死量の放射線550cGyを照射したBALB/cマウスにMHC一致でマイナー抗原不一致ドナーであるDBA/2マウスの脾細胞を移植することで慢性GVHDが2,3週で発症するモデルを確立した。 2)炎症性単球(M1)及び抗炎症性単球(M2)の2つのタイプの単球の細胞分画の解析法をフローサイトメーターを使って確立した。抗体はCD3,CD4,CD8,B220,DX1により各細胞分画を調べるとともに、単球/マクロファージのフェノタイプ同定にはGr1,CCR2,CXCR1を、機能的解析にはIL-10,IFN-γ, CCL2,CCL5,CCL18を使用して解析する。 3)M-CSF及びG-CSGの造血因子を使い、in vitroにおいてそれぞれM1、M2マクロファージの誘導をおこなった。 4)標的臓器である皮膚、腸管、肝臓の組織を免疫組織学的方法を使い、慢性GVHDの評価法を確立した。1次抗体としてはGr1,CCR2,CXCR1,CCL5,CCL18,IL-10等により浸潤細胞の性状の同定を行うとともに、細胞外マトリックスとしてFibronectinを染色して浸潤細胞との関わりを検証する。 5)マウスの末梢血を使って、Type 1サイトカンであるIFN-γ、Type 2であるIL-4、IL-13、調節性タイプであるIL-10、IL-22、Th17タイプであるIL-17のそれぞれの産生細胞を測定することを確立した。以上の5計画がなされ、概ね当初の計画通り進んでいる。上記と関連して論文1編と分担著書を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画は8つの計画部分からなっているが、このうち5つの計画手法の確立をおこなったことから、概ね当初の計画通り進んでいる考えられる。また、業績として1論文、1著書を執筆したことからも裏付けられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これらの手法を用いて今後はマウスの慢性GVHDの移植モデルを使って2つのM1/M2マクロファージの誘導された細胞をGVHD抑制の治療効果を判定する実験に移っていく。慢性GVHDの評価法として、1)GVHDスコア 2)2つの単球の分画解析 3)2つの単球の転写因子の評価 4)標的臓器の組織免疫染色の4つで行っていく予定であるが、1)、2)、4)に関しては上述したように確立しており、今後データの集積が可能である。それらを遂行すると同時に3)の手法を今後確立する予定である。移植したマウスの脾細胞よりRNAを抽出し、SDS-PAGEを使って、Immunoblot法にて炎症性および抗炎症性マクロファージのそれぞれの転写因子であるIRF-4およびIRF-5の同定を行うものである。
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Research Products
(2 results)