2014 Fiscal Year Research-status Report
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26461453
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松下 麻衣子 慶應義塾大学, 薬学部, 講師 (10327520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 豊 慶應義塾大学, 薬学部, 教授 (20189575)
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 白血病幹細胞 / がん抗原 / CTL / エピジェネティクス / 脱メチル化剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、以下の2点を中心に研究成果を得た。 一つは、同意を得て提供された複数の慢性骨髄性白血病患者骨髄検体より、白血病幹細胞が濃縮していると考えられているCD34陽性CD38陰性細胞をソーティングにて分離し、CXorf48遺伝子の発現量を検討した。検討を行った全ての検体で、幹細胞分画における高発現を確認した。さらに、その内の1検体を用いて、HLA-A*24:02陽性健常人末梢血より申請者が同定したエピトープの刺激により誘導した抗CXorf48CTLによる抗原認識能を検討したところ、CD34陰性細胞と比較して、CD34陽性細胞が強く認識された。以上より、白血病患者においてCXorf48が白血病幹細胞抗原として機能し、白血病幹細胞の排除に有用である可能性が示唆された。 次に、脱メチル化剤によるCXorf48遺伝子発現への影響を検討した。具体的には、CXorf48遺伝子を発現していない造血器腫瘍細胞株であるKMS11、HL60、PL21の各細胞を5-アザシチジンで3日間処理したところ、いずれの細胞においてもCXorf48遺伝子の発現量が著明に増加した。一方、健常人由来末梢血単核球細胞および骨髄単核球細胞に同様の処理を行った場合には、CXorf48遺伝子の発現量の変化は認められなかった。以上より、CXorf48遺伝子は腫瘍特異的なエピジェネティクス機構により発現が調節されていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度に予定していた、白血病患者検体におけるCXorf48抗原の遺伝子発現について一定の成果が得られた。また、脱メチル化剤処理による遺伝子発現への影響についても複数のがん細胞株および正常血液細胞での発現の変化を確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
白血病患者検体を用いた検討については検体数を増やして継続する。さらにCXorf48特異的CTLの抗原認識能についての検討も、CTLクローニングを含めて進めていく。 CXorf48を含む免疫関連遺伝子のメチル化解析について、パイロシークエンス法などを用いた詳細な検討を行っていく。
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