2014 Fiscal Year Research-status Report
全身性強皮症の皮膚線維化におけるアペリンの役割・病態的意義
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26461459
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
横山 洋子 群馬大学, 医学部, 技術専門職員 (00241901)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 全身性強皮症 / 線維化 / アペリン |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、正常酸素条件、低酸素条件のいずれにおいても、強皮症由来皮膚線維芽細胞のアペリンの発現は、正常人由来皮膚線維芽細胞と比べて有意に低下していることを見出している。そこで、まずアペリンが皮膚線維芽細胞の線維化に関与しているのかどうかについての検討を行った。正常酸素下および低酸素条件の2条件において、正常人由来皮膚線維芽細胞を用いて、siRNA法によるアペリンの発現抑制を行った。線維化に関与する因子の発現について定量したところ、両条件ともI型コラーゲン、TIMP1の発現に変化がみられ、アペリンの線維化への関与が示唆された。 次にアペリンの発現変化がどのような機序によって線維化に影響を与えるのかを検討するために、アペリン蛋白を正常人由来皮膚線維芽細胞に添加して、線維化における影響を調べている。正常人由来皮膚線維芽細胞及び強皮症患者由来皮膚線維芽細胞はTGF-β刺激によって線維化が誘導されることが知られていることから、このTGF-β刺激下でアペリン蛋白質を低濃度から高濃度の様々な条件で添加、培養し、線維化に関与する因子の発現を検討している。 さらに生体内におけるアペリンやその受容体の発現について検討を行うため、現在、正常人および強皮症患者の皮膚組織を用いて、アペリンとその受容体の免疫染色やmRNA発現の検討を行っている。また、マウスを用いた皮膚線維化モデルを確立させ、そのモデルを用いて、アペリンの線維化への役割について、検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定している研究はおおむね順調に進展し、学会発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得た知見を応用して、予定していた研究を遂行し、さらに発展させていく。
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Causes of Carryover |
予定していた予算に基づき使用していたが、未達成の研究部分があり、未使用の予算が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の未達成の研究と、今後予定している研究を遂行するための物品の購入に使用する。
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